スーパーマリオのテーマ曲がゲーム音楽として初めて世界最大の図書館であるアメリカ議会図書館の録音資料リストに登録される

蔵書数・予算額・職員数のすべてで世界最大の図書館であるアメリカ議会図書館が登録している「将来にわたって保存すべきアメリカの録音資料リスト」である全米録音資料登録簿に、スーパーマリオのメインテーマが登録されました。全米録音資料登録簿にゲーム音楽が登録されたのは今回が初めてです。

National Recording Registry Inducts Music from Madonna, Mariah Carey, Queen Latifah, Daddy Yankee
https://newsroom.loc.gov/news/national-recording-registry-inducts-music-from-madonna--mariah-carey--queen-latifah--daddy-yankee/s/5a91b115-3825-4a5f-a702-35940b4de958

Mario's Theme Song Being Preserved By The Library Of Congress
https://kotaku.com/super-mario-bros-theme-music-intro-nes-nintendo-kondo-1850335308

全米録音資料登録簿は、文化的・歴史的・美的重要性に基づき、永久に保存する価値のある音声を保存するためのリストです。このリストに、ゲーム関連の楽曲としては初めて1985年にリリースされた「スーパーマリオブラザーズ」のテーマ曲が登録されました。登録されたテーマ曲は以下の動画で視聴できます。

スーパーマリオブラザーズ メドレー [スーパーマリオブラザーズ35周年 Direct] - YouTube


スーパーマリオブラザーズのテーマ曲について、アメリカ議会図書館は「恐らく史上最も有名なゲーム関連の楽曲であり、1985年に任天堂がリリースしたスーパーマリオブラザーズ」を伝説的なゲームタイトルとすることや、ファミリーコンピュータのサウンドチップの可能性を示すことにも大いに役立ちました。ゲームのメインテーマはマリオとルイージの横スクロールアクションにピッタリの伴奏を提供する、軽快なラテン調のメロディです。この楽曲はあらゆる世代のチップチューンミュージシャンの土台となり、過去40年間で最も愛された音楽作品のひとつとしてふさわしく、世界中のオーケストラによって演奏されてきました」と称賛。

さらに、「1980年代にスーパーマリオブラザーズの楽曲を作曲した近藤浩治氏ほど、自分の楽曲が何十年にもわたり国際的に認知されているにもかかわらず知名度の低いミュージシャンはいません。近藤氏は2023年4月公開予定のザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーでも劇中の音楽を担当しています。日本で生まれ育った近藤氏は、大学4年生の時に大学の掲示板で任天堂の求人募集のチラシを見てゲーム音楽に興味を抱きました。彼が求人募集に応えて任天堂に入社してからは、ビデオゲームの歴史と共に歩んできたと言っても過言ではありません。1985年に作成したスーパーマリオブラザーズのメインテーマは、今では世界中の誰もが知っている陽気なラテン調のメロディとなっています」と記し、同楽曲を作曲した近藤氏を称賛しています。

さらに、過去の近藤氏のインタビューから「音楽や効果音に使用できるデータ量は非常に少なかったので、当時の音楽やプログラミングにおける創意工夫をこらしながら非常に革新的でなければいけませんでした」「画面上で起こっていることに一致するようなあらゆるジャンルの音源を用意しました。ゲームオーバーになった後にもう一度プレイするよう促すためのジングルや、目標を達成したことを祝うためのファンファーレ、残り時間が少なくなるとスピードアップを促すための音などです」といったセリフを引用。

加えて、アメリカ議会図書館は「この楽曲が他の多くの古典的な楽曲と共に保存されることは非常に名誉なことです。ただ、実際は少し信じがたいことでもあります」という近藤氏からのコメントも紹介しています。

なお、2023年4月12日にアメリカ議会図書館が発表した全米録音資料登録簿に新しく登録された音源リストには、スーパーマリオブラザーズのテーマ曲の他に、マドンナの「Like a Virgin」、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」、マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」といった24の音源が含まれています。