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ゲーム制作において重要視すべきポイントを「サイバーパンク2077」や「ウィッチャー3」などを作り上げたCD PROJEKT REDのディレクターが語る


オープンワールドRPGの金字塔ともいえる「ウィッチャー3 ワイルドハント」や、バグだらけで最悪のスタートを切ったものの後にSteamのトップセラーに輝いた近未来RPG「サイバーパンク2077」の制作に携わったパウロ・サスコ氏による講演が行われ、オープンワールド探索ゲームでプレイヤーにいかに重要な情報を届けたらいいのか、リソースを無駄にせずにいかに物語の複雑さを伝えたらいいのかといったトピックについて解説しました。

Key lessons from the quest design of The Witcher 3 and Cyberpunk 2077
https://www.gamedeveloper.com/gdc2023/10-key-takeaways-from-the-quest-design-of-cyberpunk-2077-and-the-witcher-3


世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference(GDC) 2023」に登壇したサスコ氏によると、プレイヤーが熱中するようなゲームに仕上げるためには、プレイヤーの「次のストーリーを求めて動く」という行動を促す必要があるとのこと。大抵は重要な情報を意図的に排除することで成し遂げられ、プレイヤーの「情報を得ようとする意欲」を刺激するような作りが必要とされるそうです。

サスコ氏のチームがゲームを制作した際には、「プレイヤーに感情的な影響を与える目標」をストーリーの重要な柱とすることで、上記目標を成し遂げられたそうです。感情的な影響を与える目標とは、プレイヤーの記憶に残り、プレイヤーの感情を揺さぶったり、インパクトを与えたりする物語や場面を指します。


こうしたシーンを描く際は、それぞれのシーンに十分な時間を持たせ、「決して急がない」ことが重要だそうです。サスコ氏は「現実の生活は急がないものですよね」と付け加え、激しいものではなく、人間らしい瞬間を作ることでプレイヤーにキャラクターとの絆を深める機会を与えることが重要だと述べました。

例えば「サイバーパンク2077」では、パナムというキャラクターが他のキャラクターの膝の上に足を置いて話すというシーンがあります。こうしたささいな身振り手振りが、観客に大きなインパクトを与えることがあります。


プレイヤーの注意を引きつけるもう一つの方法として、「簡潔な表現」が有効的です。NPCとの会話の中で繰り返し使われる表現を排除し、会話に混じってくる「ノイズ」を排除することでこの目標を成し遂げられます。

例えば、あまり重要でない会話は、プレイヤーがNPCと一緒に別の地点まで歩いていく時のように、他のアクションが行われている間に表示するようにします。一方で重要な会話はプレイヤーが集中できるような場面で表示します。


長いストーリーを有するRPGには、プレイヤーに「選択肢」を提示するものがよくあります。選択肢の中でも、ある選択肢を選んだらNPCが死んでしまったり、今後味方になる陣営が変わってしまったりする「インパクトのある選択肢」が提示されることがありますが、プレイヤーがジレンマを抱えるこうした選択肢は、ゲームに意味を持たせるためには重要だそうです。選択肢を提示することそのものは「必ずしもエキサイティングではない」とのことで、選択肢を提示する場合、プレイヤーに考えるきっかけを与えるようなものが重要視されます。

最後に、サスコ氏は「チームの他の分野が、それぞれの専門性や興味をアピールできるようなデザインをすることが大事です。そのためには、チームメイトと強い絆を結び、彼らのことをよく知ることが必要です」とアドバイスしました。

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in ゲーム, Posted by log1p_kr

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