イーロン・マスクが自身のアカウントを非公開に設定してTwitterのアルゴリズムのテストを実施

TwitterのCEOであるイーロン・マスク氏が2023年2月1日の早朝に自身のアカウントを非公開に設定しました。マスク氏は非公開に設定した理由を「非公開アカウントによるツイートが公開ツイートよりも多く表示されるアルゴリズムの不具合をテストするためです」と述べています。

Musk locks his Twitter account to personally test reported malfunction | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/02/musk-goes-private-on-twitter-to-test-if-locked-tweets-get-more-views/

記事作成時点で、マスク氏のアカウントは非公開に設定され、事前にフォローしていたユーザー以外はツイートを見ることができなくなっています。

アルゴリズムのテストのためにアカウントを非公開に設定してから、複数のユーザーが「Twitterがどのように機能するのかを知らないようだ」「マスク氏にTwitterのアルゴリズムについて説明できるエンジニアがいないようだ」と述べています。また、KnowNothingというユーザーは「マスク氏はアルゴリズムがどのように機能するかを理解するために、中学生の実験のようなアイデアを実行する必要があります」と述べています。

Twitterでは2022年12月にツイートの表示回数の表示の開始や、「おすすめ」のタイムラインをトップに固定するなどの施策を行ってきました。しかし、ツイートの閲覧数を分析したユーザーからは、公開アカウントのツイートよりも非公開のアカウントからのツイートが表示されやすいと指摘されています。

今回マスク氏がアカウントを非公開に設定した要因はこれらの指摘に対するテストの一環で、マスク氏は「私のアカウントを明日の朝まで非公開にして、公開ツイートよりも非公開ツイートの方が多く表示されるかどうかをテストしています」とのツイートを残しています。

しかし、TwitterはEUの(PDFファイル)デジタルサービス法(DSA)に準拠していない可能性が指摘されており、Twitterのコンプライアンス違反が疑われています。EUのコミッショナーを務めるティエリー・ブルトン氏によると「今後数週間以内にTwitterでストレステストを実施し、違法コンテンツをブロックするためのDSA要件にTwitterが準拠していないことを証明します」とのこと。

ストレステストによってTwitterがコンプライアンス違反を改善しない場合、Twitterには罰金やサービス提供の制限が課せられる可能性があります。一方でマスク氏は「EUでのTwitterの情報の透明性や説明責任、正確な目標は一致しています」とツイートし、プラットフォーム上で誤った情報が広まるのを防ぐことで、Twitterは今後DSAのコンプライアンスを準拠することを表明しています。