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Wikipediaが「罰当たりなコンテンツ」を削除しなかったとしたパキスタン政府がアクセス制限を実施


パキスタンの規制当局が、削除を命じた冒瀆(ぼうとく)的な記事を削除しなかったとして、Wikipediaのアクセスを48時間制限したことを発表しました。パキスタン当局は、今後Wikipediaが指示に従わなかった場合、Wikipediaを完全にブロックすることもいとわないと警告しています。

Wikipedia services downgraded over 'sacrilegious content'
https://tribune.com.pk/story/2398853/pta-degrades-wikipedia-services-for-not-blocking-sacrilegious-content

Pakistan ‘degrades’ Wikipedia, warns of complete block over ‘sacrilegious’ content | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/02/01/pakistan-degrades-wikipedia-warns-of-complete-block-over-sacrilegious-content/

パキスタン電気通信庁(PTA)は2023年2月1日に、「Wikipediaは関連法と裁判所命令に基づく通知により、冒涜的なコンテンツのブロックと削除を求められました。公聴会の機会も与えられましたが、Wikipediaは当局に出頭せず、冒涜的なコンテンツの削除にも応じませんでした。PTAの指示に従わなかったため、Wikipediaのサービスは48時間悪化しました」と発表しました。

Wikipedia was approached for blocking/removal of the said contents by issuing a notice under applicable law & court order(s). An opportunity of hearing was also provided, however, the platform neither complied by removing the blasphemous content nor appeared before the Authority. pic.twitter.com/6dWRcbxHGB

— PTA (@PTAofficialpk)


PTAは、具体的にどのWikipediaの記事が削除の指示の対象になったのかを明かしていません。当局の発表によると、Wikipediaが指示に従わず意図的な法律違反を続ける場合、Wikipediaはパキスタン国内で完全にブロックされるとのこと。


PTAは「Wikipediaのサービス再開は、違法なコンテンツをブロックし削除することを条件に、再検討されます。PTAは、法律に従って全てのパキスタン国民に安全なオンライン体験を保証することをお約束します」と述べました。

パキスタン政府が、Wikipediaにある好ましくない記事に注目したのは、これが最初ではありません。PTAは、2020年12月にも冒涜的なコンテンツを拡散したとして、GoogleとWikipediaに対して通知を発行しました。また、2021年には「不道徳で不快なコンテンツ」をめぐってTikTokを一時的にブロックしたこともあるとのこと。

パキスタン当局が意に添わないプラットフォームに処罰を加えている一方で、パキスタン政府に意趣返しをしているプラットフォームもあります。Google・Meta(当時Facebook)・Twitterは2020年に共同で、「パキスタン政府がPTAにコンテンツの検閲に関する包括的権限を与えた場合はパキスタンから撤退する」としてパキスタン政府に脅しをかけたことがあります

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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