中国がついに全言語のWikipediaへのアクセスを遮断へ
by Will Clayton
中国政府はGoogleやFacebookなどへのアクセス規制や、ネット掲示板の書き込みに対する実名登録の義務づけなど、インターネット上の厳しい検閲を行っています。中国から中国語版Wikipediaへのアクセスは過去にも何度か封鎖されていますが、今回行われた規制では中国語版に限らず、全言語のWikipediaへのアクセスが遮断されました。
OONI - China is now blocking all language editions of Wikipedia
https://ooni.torproject.org/post/2019-china-wikipedia-blocking/
China Blocks All Language Editions of Wikipedia | Time
http://time.com/5589439/china-wikipedia-online-censorship/
インターネット検閲に関する調査団体であるOpen Observatory of Network Interference(OONI)は2019年4月25日、中国国内から全言語のWikipediaへのアクセスが遮断されているのを発見しました。中国から中国語版Wikipediaへのアクセス遮断は2015年5月19日から開始されていましたが、中国はこの規制を全言語のWikipediaに拡大したということになります。
中国はインターネットの規制を厳しく行う国だと知られています。具体的にはGoogleなどの検索エンジンやFacebook、TwitterなどのSNS、YouTubeなどの動画共有サイト、ダライ・ラマ 14世などのチベット独立運動に関係する情報などが中国当局によって規制されています。
言論の自由を目的とするジャーナリストによる非政府組織である国境なき記者団(RSF)は、2019年度の「世界報道自由度ランキング」で中国を世界180カ国中177位、ほぼ最下位に位置づけています。
by Fuzzy Gerdes
なお、中国政府が厳しい情報規制を設けている1989年6月4日に発生した「天安門事件」は2019年で30年目を迎えます。2019年4月、カメラブランドのライカはプロモーションムービーで天安門事件に触れてしまったため、検閲対象となってしまったと報じられています。
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