「持ち運び可能な折り畳み式トリプルディスプレイPC」をDIYした猛者が登場
「Framework Laptop」は全てのパーツを交換できるためアップグレード&修理&カスタマイズ可能なノートPCであり、ガジェットを自由自在にカスタマイズしたい人にとってありがたい存在です。さまざまなガジェットをDIYするYouTubeチャンネル・DIY Perksを運営するマット氏が、そんなFramework Laptopを使用して、なんと「持ち運び可能で折り畳み式のトリプルディスプレイを備えたPC」を自作しています。
Triple-Screen Laptop DONE RIGHT! - YouTube
Modding a Framework Laptop into a three screen beast - The Verge
https://www.theverge.com/2023/1/31/23580097/framework-laptop-triple-screen-diy-perks
ノートPCを3画面にすることは構造上かなり難しく、薄いディスプレイを保護する仕組みにも課題があります。
そこでマット氏は、古いiPadを追加のスクリーンとして左右に配置するアイデアを思いつきました。縦にした際の寸法がメインスクリーンにピッタリ合うiPadを両側に2枚配置すれば、2枚のiPadが重ならないように折り畳むことができます。
また、通常のノートPCはディスプレイとキーボードがつながっている都合上、机に置いて使うとどうしても背中や首が痛くなってしまいがちです。
ノートPCをそのままトリプルディスプレイにすると両側のディスプレイが遠くなってしまい、自分の方に傾けようにも妙な角度が付いてしまう点も問題です。
そこでマット氏は、ノートPCというガジェット自体を根本的に考え直したとのこと。
Framework Laptopのメインボードは実のところ非常にコンパクト。
驚くことに、このメインボードに給電して適切にディスプレイと接続するだけでPCとして機能します。
これに追加のディスプレイを接続するには、周辺機器とコンピューターを接続するためのLCDコントローラーボードを使用する必要があります。
実際に接続してみるとこんな感じ。
しかし、このままでは追加したディスプレイのために別の外部電源が必要となり、構成に無駄があります。
そこでマット氏はUSB Type-Cケーブルに備わっている給電回路に着目。
ケースを切り取って内部の基板を露出させました。
電圧供給用のワイヤーを接続し、追加の外部電源なしでディスプレイに電力を供給できるように改造しました。
これでトリプルディスプレイPCの基本構成は完成です。
もちろんこの状態で使うわけにはいかないため、適切なケースを作成しなくてはなりません。
設計したケースを3Dプリンターで出力。
完成したケースはこんな感じ。
メインボードやバッテリー、USBポートなどを取り付けます。
背面のカバーを取り付けて本体の完成です。
トリプルディスプレイのPCでありながら、折り畳めば非常にコンパクトになります。
このPCは定義上「ラップトップPC」と呼ぶことは難しいものの、確かに持ち運び可能なPCです。
さらにマット氏は、このトリプルディスプレイPCにスタンドと持ち手を取り付けました。
机の上にスタンドで設置し、ディスプレイを開くとこんな感じ。
キーボードをディスプレイと統合するのではなくBluetooth接続にしたことで、画面を高い位置に配置することが可能になりました。これによって首や肩が痛くなりにくく、左右のディスプレイが見やすくなります。
なお、マット氏はプロジェクト自体をオープンソースで公開しており、必要なファイルはDIY Perksの公式サイトからダウンロードすることが可能です。
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