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Twitterが広告以外の新たな収入を求めてPayPalのような決済サービスを計画中


収益改善のために大規模な人員削減を実施したり、新しい収益源となる有料サブスクリプションサービス「Twitter Blue」をリリースしたりしているTwitterが、さらなる収益源として決済サービスをTwitterに組み込むことを計画していると経済紙のFinancial Timesが報じています。

Elon Musk pushes forward with Twitter payments vision | Financial Times
https://www.ft.com/content/9d84d534-b2dd-4cff-85d1-aee137b26a45

Twitter now wants to become a payments platform
https://9to5mac.com/2023/01/30/twitter-payments-platform/

Doge Rises Amid Reports of Crypto Support on Twitter
https://cryptoadventure.com/doge-rises-amid-reports-of-crypto-support-on-twitter-payments/

Twitter seeks payment licenses as part of Musk's 'everything app' push - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2023/01/30/twitter-seeks-payment-licenses-part-musks-everything-app-push/

Dogecoin Fans Still Hopeful After Elon Musk's Twitter Payments Update - Decrypt
https://decrypt.co/120224/dogecoin-fans-still-hopeful-after-elon-musks-twitter-payments-update

Twitter moving ahead with payment processing service; crypto integration may come later
https://cryptoslate.com/twitter-moving-ahead-with-payment-processing-service-crypto-integration-may-come-later/

Financial Timesによると、Twitterは支払いプラットフォームを統合するためにアメリカの規制当局へのライセンス申請およびソフトウェアの設計を開始したそうです。Financial Timesに情報提供した計画に詳しい匿名の2人によると、Twitter社内でイーロン・マスクCEOの側近として急速に力をつけているエスター・クロフォード氏が、小規模なチームで「Twitter上での決済を促進するために必要なアーキテクチャの構築」を開始しているとのこと。


マスクCEOは「メッセージング」「決済」「コマース」を統合したアプリを立ち上げる基本計画の一環として、Twitterにピアツーピア取引・預金口座の確認・デビットカードなどのフィンテックを組み込むことを計画している模様。情報提供者によると、Crawford氏が率いるチームはTwitterの支払いシステムが収集するユーザーデータを保管・保護するための仕組みの考案を進めている段階だそうです。

さらに、Twitterは決済サービスを開始するための下準備も進めており、すでに規制当局に必要書類を提出済みとのこと。この書類によると、Twitterは2022年11月の時点でアメリカの財務省に決済処理業者としての登録を済ませています。また、決済サービスを開始するために州政府に行う必要があるライセンス申請もすでに開始している模様。そのため、1年以内にはアメリカでの決済サービス開始に必要なライセンス取得が完了する見込みであると関係者のひとりはコメントしました。また、別の情報提供者はTwitterが決済サービスを国際的に拡大することを目指している、とも語っています。

TwitterはマスクCEOによる買収が成立する以前の2022年8月時点で、子会社としてTwitter Paymentsを設立しており、決済サービスの導入を検討していました。マスクCEOはこのTwitter PaymentsのCEOにクロフォード氏を任命しています。


2022年末、マスクCEOは投資家に向けてTwitterへの増資を打診し、その際に資金の一部をプログラマーの大量雇用に充て、決済処理を行う「スーパーアプリ」を開発する予定であることを示唆したと、増資の打診を受けたという投資家のひとりがFinancial Timesに語っています。

Twitterの決済サービス構築計画に詳しいという別の関係者によると、マスク氏の構想では「ユーザーがクリエイターに直接報酬を与える方法」「ユーザーがプラットフォームを通じて直接商品を購入する方法」「ユーザーが互いに支払いを行う方法」を実現するような決済サービスの構築を目指しているとのこと。さらに、マスク氏は決済サービスのリリース後に仮想通貨のサポートが可能になるようサービス構築を進めているそうです。

なお、Financial TimesによるとマスクCEOはTwitterの買収以前の2022年5月時点で「2028年までにTwitterは約13億ドル(約1700億円)の決済収入を目指す」と言及しており、買収以前からTwitterに決済サービスを統合することを計画していたことがうかがえます。

イーロン・マスクはTwitterを「決済サービス」にしようと考えている、ドージコインなどの仮想通貨も受け入れか - GIGAZINE

by Steve Jurvetson

決済市場のデータをまとめるFXC Intelligenceによると、何十万人ものTwitterユーザーがツイートや自分のアカウント上でサードパーティー決済サービスへのリンクを共有しているとのこと。そのため、FXC Intelligenceのコンテンツ責任者であるルーシー・インガム氏は「Twitterはすでに決済が行われるプラットフォームとなっており、そんなTwitterが決済サービスの統合を目指すのはある意味当然と言えるでしょう」と語っています。

なお、決済サービス分野ではアメリカだけでもVenmo、Cash App、Zelleといった企業が激しい競争を繰り広げているため、他の決済サービス専門家はTwitterの決済サービスが競争力のある規模へと成長できるかについて懐疑的です。

また、Twitterは規制当局の厳しい監視の目にさらされる可能性もあります。送金・両替・小切手の現金化に関わる決済事業者は、通常とは異なる活動を当局に警告することが義務付けられています。また、調査会社MoffettNathansonの決済専門家であり上級アナリストでもあるリサ・エリス氏によると、詐欺や疑わしい取引を監視するために、決済サービスではユーザーアカウントがユーザーの身元と直接リンクしていなければいけないそうです。そのため、「これらの規制があるため多くの技術系企業が決済サービスを実験しては諦めています」とエリス氏は述べています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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