ソフトウェア

ターミナルでYouTubeを見たりDOOMを動かしたりできるChromiumベースのブラウザ「Carbonyl」


「カーソルの移動」「ユニコード文字の表示」「テキスト色の変更」「マウス動作の追跡」ぐらいしかできないターミナル(端末装置)でのウェブブラウジングを実現するChromiumベースのブラウザ「Carbonyl」が公開されています。

Forking Chrome to render in a terminal - Fathy Boundjadj
https://fathy.fr/carbonyl


ターミナルは、一般にディスプレイとキーボードを備えていて、ホストコンピューターと接続してデータをやりとりしたり処理結果を表示したりするために用います。処理そのものはホストコンピューターが行う事例がほとんどです。

しかし、「どうしてもターミナルでブラウジングしたい」という風変わりな人はいるもので、GUIなしでグラフィカルにウェブサイトを表示できるテキストベースブラウザ「Browsh」のようなソフトウェアが存在します。

無料でターミナルからグラフィカルにウェブサイトを表示できるテキストベースブラウザ「Browsh」 - GIGAZINE


「Carbonyl」の開発者の1人であるFathy Boundjadj氏は、もともとウェブページをSVGに変換する「html2svg」というプログラムに取り組んでいました。これを発展させたのが「Carbonyl」だとのこと。html2svgは、Carbonylのランタイムとして取り込まれています。

Boundjadj氏によると、ターミナルは「固定グリッドに等幅文字を描画できる」ことが保証されているほかは、できることはそれほど多くなく、一般的には「カーソルの移動」「ユニコード文字の表示」「文字の背景色と前景色の設定」「6×6×6のRGBパレットまたはCOLORTERMがTrue Colorに設定されている場合に24bitのRGBを使用」などができます。

ユニコード文字「U+2584」はグリッドの下半分を用いた長方形(▄)で、背景色を上のピクセルの色に、前景色を下のピクセルの色にすることで、完全な正方形をレンダリングできます。実際にRustで書かれたhtml2svgを用いて、YouTubeのトップページをターミナルのエミュレーターで描画するとこんな感じ。


draw_text関数を呼び出して、文字列をレンダリング。Cookieに関するポップアップが表示されていたことがわかりました。


ダイアログに重なる文字列を表示せず塗りつぶすようにしたり、文字列の背景色が灰色になっていたところを修正したりするとこうなります。


Google Chromeを使って、Google検索しているところはこんな感じ。Chromeだとは認識されていないようで、GoogleがChromeを使うように勧めてきています。


アニメーションやスクロールの改善、レイアウトが崩れる問題の改善などを経て、CarbonylはWikipediaを表示したり、DOOMをプレイしたりすることが可能になっています。

Wikipediaを閲覧


DOOMをプレイ


YouTubeを閲覧


CarbonylはGitHubでプロジェクトが公開されています。

GitHub - fathyb/carbonyl: Chromium running inside your terminal
https://github.com/fathyb/carbonyl

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in ソフトウェア,   動画, Posted by logc_nt

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