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登録者数が1100万人を超える17歳学生のYouTubeチャンネルが突如停止される、一体なぜ?


インドに住む17歳の学生が運営するYouTubeチャンネル「RG Factboy」は約1100万人もの登録者を持つ人気チャンネルでしたが、2023年1月11日に突如YouTubeアカウントが削除され、チャンネルも停止されました。RG Factboyは他のクリエイターが投稿した動画の吹き替えなどの動画を「YouTubeショート」に投稿していました。

Indian teenagers from small towns are taking YouTube Shorts by storm - Rest of World
https://restofworld.org/2023/indian-teenagers-youtube-shorts/

インドに住む17歳の学生であるロヒート・グプタ氏は2022年4月に「RG Factboy」を開設し、1年足らずで約1100万人の登録者を獲得しました。グプタ氏のようなインドの10代の動画クリエイターは、ヨーロッパやアジアで流行するミーム動画やショートコント動画にヒンディー語のナレーションを付けたショート動画を制作・投稿し、何百万回もの視聴回数を獲得しています。RG Factboyのように、騒々しいニュースキャスターのように既存の動画へナレーションや字幕を加えた動画をまとめたYouTubeチャンネルは「ファクトチャンネル」と呼ばれており、近年増えつつあるとのこと。


ソーシャルメディア分析企業のSocial Bladeによると、YouTubeで最も急成長しているチャンネルのトップ10のうち、4つはファクトチャンネルだったそうです。これらのファクトチャンネルはいずれもインド人によって運営されています。

インドでは2020年にYouTubeのショート動画機能が開始され、同年に禁止されたTikTokの空白を埋めることができると多くのユーザーに期待されているとのこと。インドの若いクリエイターにとってYouTubeショートは一獲千金のチャンスとみなされています。

2022年8月にYouTubeはショート動画のクリエイターに対して報酬を与えるために約1億ドル(約130億円)のプログラムを創設したことを発表し、インドでのショート動画に対する関心はさらに高まりました。RG Factboyなどの記録的な視聴回数を誇るクリエイターは、このプログラムを通して月に約600ドル(約7万8000円)の収益を得ているとのこと。


しかし、ファクトチャンネルの一部はYouTubeのコミュニティと著作権のガイドラインに違反していることが問題視されており、RG FactboyのYouTubeアカウントもこのガイドラインに違反したと判断され、削除されてしまったというわけです。YouTube上には自らが作成した動画または使用を許可された動画のみをアップロードすることが定められていますが、これらのファクトチャンネルの多くは著作権を侵害して他のクリエイターのコンテンツにナレーションを追加する動画を投稿していました。


2021年にインドで制定された情報技術規則では、著作権侵害に対してプラットフォームはより自発的なコンテンツ削除を積極的に行うことができるとのこと。この法律により、多数の著名なファクトチャンネルのアカウントが削除されています。

インドを拠点とするソーシャルメディアプラットフォーム「Moj」の共同創設者であるリトゥラージ・ビスワス氏は「インドの一部のクリエイターは、既存の動画に吹き替えと解説を行う動画を投稿することで、何百万回もの視聴回数を集める手法を発見しました」と述べています。また「ヒンディー語を母国語とするインドの何百万人ものユーザーは、ヨーロッパやアジアの動画に対して言語の壁があります。そのため既存の動画に翻訳などを加えるファクトチャンネルには言語の壁を克服する手段としての大きな需要があります」と分析しており、YouTubeはクリエイターに対してもっと寛容であるべきだと主張しています。

一方で、YouTubeは2023年2月から約1億ドル(約130億円)のプログラムを段階的に廃止し、パートナープログラムに登録しているクリエイターはショート動画でも広告収入が受け取れるようになることを発表しており、インドでのファクトチャンネルの状況は大きく変化することが予測されています。

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in ネットサービス, Posted by log1r_ut

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