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アメリカ国防総省が運営するスロットマシンはアメリカ軍の隊員から毎年約130億円以上を巻き上げている


アメリカ国防総省は軍の「士気高揚・福利厚生・レクリエーション」の名目で3000台以上のスロットマシンを運営しています。そんなアメリカ軍のスロットマシンは年間1億ドル(約130億円)以上を稼いでいる一方で、隊員のギャンブル依存が問題になっています。

U.S. military-run slot machines earn $100 million a year from service members overseas : NPR
https://www.npr.org/2022/07/31/1110882487/dod-slot-machines-overseas-bases

アメリカ軍が運営するスロットマシンは2017年の時点で12カ国のアメリカ軍基地に合計で3000台以上配置されています。インド洋に浮かぶディエゴガルシア島の基地には52台のスロットマシンが配置されており、本来21歳に達しないとカジノには入場できませんが、このスロットマシンであれば18歳の隊員でも遊ぶことができます。

これらのスロットマシンはそれぞれの軍支部の「士気高揚・福利厚生・レクリエーション」を担うグループによって管理されており、「隊員の回復力、保持力、即応性、生活の質に貢献する高品質で顧客中心のプログラムとサービスを提供する」ことを目的とするそう。

2000年代初頭には、スロットマシンがなければ、隊員向けのゴルフコースや家族向けの活動センターを購入する余裕はなかったとのこと。アメリカ国防総省の広報官であるニコル・シュウェグマン氏は「スロットマシンは多くのレクリエーションや海外での娯楽に大きく貢献しています」と述べています。


アメリカ空軍の新兵3万1000人を対象とした2008年の研究では、6.2%の隊員がギャンブル依存と見なされる行動を示しており、帰還兵に対する2016年の研究では、4.2%の隊員が配備からの期間後にギャンブル依存の疑いがある状態またはギャンブル依存だったことが判明しています。全国ギャンブル問題評議会(NCPG)は隊員の最低4%が中程度から重度のギャンブル依存の基準を満たしており、この数値はアメリカ全国平均の2倍にあたることを推測しています。

NCPGのエグゼクティブ・ディレクターであるキース・ホワイト氏は「若くて危険を冒しがちな男性隊員は、薬物乱用やストレス、うつ病、PTSD、外傷性脳損傷に苦しんでいる傾向が高く、これらの問題はすべてギャンブル依存に関係しています」と述べています。

海外に派遣されている隊員は給与が増加する一方で、友人や家族から引き離され孤独を感じる傾向にあります。そこで基地内で娯楽を求める隊員は身近にあるスロットマシンに依存してしまうとのこと。


2018年に民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員と共和党のスティーブ・デインズ上院議員らは共同で、軍にギャンブル依存症の隊員が増えた場合、国家安全保障上の脅威となる可能性がある考えを示しましたが、ギャンブル依存症に苦しむ隊員を支援するための法案が成立することはありませんでした。

ギャンブル依存の患者を含む退役軍人の中には、これらのスロットマシンを軍内で「ハーム・リダクション」と捉えている人物もいるそうです。つまり、基地内でのギャンブルは、より確率が低く、賭け金の高い外部でのギャンブルを控えることができるため安全であるとのこと。


カリフォルニア大学ロサンゼルス校のティモシー・フォン氏は「ギャンブルの観点では、基地内のスロットマシンがハーム・リダクションであることを示すデータはありません」と述べています。また、「これらのスロットマシンが公衆衛生期間やギャンブルを規制する団体ではなく、国防総省によって管理されていることを懸念しています」と危惧しています。

フォン氏によると、ギャンブル依存の最も危険な側面の一つは「他の依存症とは異なり目に見えない」ことを挙げています。ギャンブル依存の兆候としては、窃盗や詐欺、無断での外出、行動障害などの問題行動による除隊につながる行動があるとされています。そのため、ギャンブルへの依存が発覚した時にはすでに手遅れだったこともよくあるそうです。


アメリカ合衆国政府は退役軍人省を通じてギャンブル依存に悩む退役軍人や現役隊員のための更正プログラムを運営するなど、この問題の対処にあたっています。また、全隊員が毎年受診する健康診断には、ギャンブル依存を特定するための3つの質問が盛り込まれることになっています。

アメリカ国防総省は、「営業時間の制限やスロットマシンへのアクセスや台数、金額、賞金の制限を行い、ギャンブル依存の可能性を最小限に抑えるための管理を行っています」と述べています。しかし、スロットマシンが身近な場所にある場合、管理だけでは不十分だとされています。

元陸軍隊員のデイヴ・イェーガー氏が韓国の龍山基地に着任した際には、ギャンブル依存の問題は一切なかったにもかかわらず、気がつくと毎日のようにスロットマシンに通っていたとのこと。また、1日中スロットルームにいた日でも「あなたはここに長居しすぎです」などとイェーガー氏をとがめる人は誰もいなかったと振り返っています。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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