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仮想通貨取引所「Binance」でメキシコの麻薬カルテルがマネーロンダリングしていることが発覚


世界最大の仮想通貨取引所である「Binance」ユーザーの不信感の高まりにより資金引き出しが急増していることが報じられています。そんな中、メキシコを拠点とする麻薬カルテルがBinanceを通じて数十億円規模のマネーロンダリングを行っている疑いがあり、麻薬カルテルに対して捜査が行われています。

International drug conspiracy used Binance to launder millions, DEA probe finds - Business News
https://biz.crast.net/international-drug-conspiracy-used-binance-to-launder-millions-dea-probe-finds/

Binanceではこれまでの調査の結果、財務情報や本拠地といった重要な情報が隠ぺいされていることが明らかになり、不透明な経営状況による不信感がユーザーの中で高まっています。

世界最大の仮想通貨取引所「Binance」は不透明な運営を続けており財務情報や本拠地をひた隠しにしてきたことがロイターの分析で明らかに - GIGAZINE


Binanceが取り扱うビットコインやその他の仮想通貨はメキシコを拠点とする麻薬カルテルの間で違法な商取引を隠す手段として注目されており、以前は政府機関による追跡が不可能であるとされていました。しかし、アメリカ麻薬取締局(DEA)はメキシコの麻薬カルテルがBinanceを通じて1500万ドル(約20億円)~4000万ドル(約50億円)のマネーロンダリングを行ったと主張し、捜査を行っています。


DEAによる犯罪組織の追跡には、Binanceなどの仮想通貨取引所との協力が必要不可欠とされており、2022年5月には、Binanceが犯罪組織による仮想通貨のマネーロンダリングに対し、捜査当局に情報提供を行っていることを報告しています。また、Binanceは2022年のはじめにはDEAと協力してメキシコでの麻薬資金のマネーロンダリングの疑いのある100以上の口座を凍結しました。

当局の捜査の起点は、2022年に仮想通貨取引プラットフォームの「localbitcoins.com」を使用していた複数の情報提供者が、仮想通貨を現金と交換すると申し出たユーザーから連絡を受けたことでした。持ちかけられた取引の内容はシンプルで、ビットコインかUSD Coinを売人の口座に送金し、その後直接会って現金を受け取るというものです。この売人ことメキシコ国籍のカルロス・フォン・エチャバリアは、現金の出どころは「ファミリーレストランと牧畜場」と話していたとのこと。

その後、DEAの潜入捜査官がエチャバリアの捜査を行ったところ、麻薬の取引につながる資金を取り扱っていたことが判明し、2021年にエチャバリアは逮捕されました。エチャバリアは麻薬の取引とマネーロンダリングに関する容疑を認めています。

Binanceの協力を得たDEAは、エチャバリアの仮想通貨について捜査することで、ある1つのアカウントからエチャバリアの資金が引き落とされている実態を発見しました。この発見によって、エチャバリアとアカウントの所有者との間でロンダリングが進行中だったことが明らかになりました。捜査によると、このアカウントの所有者は2021年に146回で総額約4600万ドル(約55億円の買い注文を行い、117回で約3800万ドル(約50億円)の売り注文を行ったとされています。


DEAは、これらの資金の出どころについて、少なくとも1600万ドル(約21億円)が麻薬の収益によるものだと説明しています。

これまでの調査でも、麻薬カルテルが仮想通貨を利用したマネーロンダリングを行っていた証拠は見つかっていましたが、取引額は数十万円程度でした。一方でエチャバリアが関与していた事件では、多額の麻薬資金をロンダリングする手口が明らかになっています。

元アメリカ国税庁のサイバー犯罪捜査官で、記事作成時点ではBinanceに勤めているマシュー・プライス氏は、エチャバリアの関与する事件に対し、「仮想通貨取引の透明性が犯罪者に不利に働く例です」と述べています。

一方で仮想通貨の専門家は、麻薬カルテルが国境を越えてマネーロンダリングを行うことでDEAによる捜査を逃れようとする可能性を指摘しています。

なお、Binanceも2018年からマネーロンダリングや脱税、制裁違反の疑いでアメリカ司法省の捜査を受けています。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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