ネットサービス

Twitterに嫌気が差して辞職したTrust&Safety協議会の元メンバーが辞めた理由を語る、マスク氏も登場して大激論


TwitterのTrust&Safety協議会(以下、TSC)とは、Twitterのサービス、プログラム、ルールの開発に対して安全性を高めるべく、世界中の独立専門組織で構成されたグループであり、Twitter上の嫌がらせや中傷、いじめなどの不適切な投稿を防止することを目的としています。そんなTSCで7年間務め、イーロン・マスク氏がTwitterのCEOに就任したことをきっかけに「嫌気が差した」として辞任した元TSCメンバーが、辞めた理由や不満などをWebメディアのSLATEに語っています。

Three members of Twitter’s Trust and Safety Council just quit because Elon Musk was ignoring them.
https://slate.com/technology/2022/12/twitter-elon-musk-trust-and-safety-council-members-quit-interview.html

Members of Twitter’s Trust & Safety Council Resign in Protest Against Elon Musk's 'Safety' Messages to Date - NetFamilyNews.org
https://www.netfamilynews.org/members-of-twitters-trust-safety-council-resign-in-protest-against-elon-musks-safety-messages-to-date

TSCのメンバーとして青少年の性的搾取を阻止するプラットフォームに貢献したエイルリアーニ・アブドゥル・ラーマン氏は、Twitterで7年近く務めた後に、「Twitterの新しいリーダーであるマスク氏が私たちを締め出しました」と主張し、他2人のメンバーとともにTSCを辞任しました。辞任の数時間後にラーマン氏は、SLATEのニティッシュ・パワー氏との電話で「今日は私にとって最悪の日です。非常に厳しい決断でした」と語ったそうです。


TSCは、「ユーザーの安全を擁護し、公共の会話の健全性を向上させる」ことを目的として、人権や嫌がらせ、自殺防止といった重厚な問題についてのポリシーを幹部などに指導することを任務としています。しかし、マスク氏がCEOに就任後わずか数日で、通常アクセスできるコンテンツモデレーションツールの使用を禁じられたことが報じられるなど、TSCの活動は優先されないことが明らかになりました。そこで何人かのTSCメンバーが会社に「TSCの存在をマスク氏が認識しているかどうか」を尋ねましたが、マスク氏が最初に採った行動は、TSCとTwitter経営陣の連絡役を務めていたビジャヤ・ガッデ氏を解雇することだったとのこと。

ラーマン氏によると、TSCはTwitterの新しい方向性について懸念を表明するための努力を続けたにもかかわらず、マスク氏は一度もTSCに接触することはありませんでした。またそれどころか、マスク氏は「言論の自由」を掲げて凍結されたアカウントを復活させることを発表しており、それに伴い「Twitterでは前例のないレベルでヘイトスピーチが増加している」という研究結果も報告されています。

Twitterのヘイトスピーチがイーロン・マスクの買収後に急増していると研究者が報告、マスク氏は「全くの虚偽」と反論 - GIGAZINE


このような流れを受けて、ラーマン氏およびTSCの同僚であるアン・コリアー氏、レスリー・ポデスタ氏は辞任を表明しました。コリアー氏は辞任に際して、「私はもはや、Twitterがこのようになってしまったことを黙認する言い訳ができません」と述べています。

Three of us resigned from Twitter’s Trust & Safety Council today: @eirliani @podesta_lesley and me. Here’s why https://t.co/h05TblfGIO pic.twitter.com/iqcHvhbgms

— annecollier (@annecollier)


また、ポデスタ氏は辞任に際して「安全性とモデレーションに関するポリシーを正しく理解するために懸命に働いてきた文化の崩壊を見るのは、とても憂鬱(ゆううつ)です」と語っています。

Three of us resigned today. There was a sense that it’s just becoming empty words now, so depressing watching the breakdown of a culture that worked hard to get policies on safety & moderation right @karahinesley @karaswisher @tweetinjules @profgalloway https://t.co/XgHHtu7Zp5

— Lesley Podesta (@podesta_lesley)


ラーマン氏、コリアー氏、ポデスタ氏がTSCを辞任した理由をTwitterで公開した際に、マスク氏は「彼女たちは何年もの間、子どもの搾取に対して行動を起こすことを拒否していました。これは犯罪です!」とリプライを送っています。

It is a crime that they refused to take action on child exploitation for years!

— Elon Musk (@elonmusk)


マスク氏は続けて「現在TSCを運営しているエラ・アーウィン氏が2022年初頭に就任した時、子どもの安全に取り組んでいるメンバーはほとんどいませんでした。アーウィン氏はすぐにパラグ・アグラワル元CEOやネッド・シーガル元CFOに働きかけたものの、人員の再配置は行われませんでした。そのため、私はこれに最優先で取り組みました」と、TSCが怠慢だったからこそ強硬的な姿勢を取った旨を説明しています。

No, it is not.

When Ella Irwin, who now runs Trust & Safety, joined Twitter earlier this year, almost no one was working on child safety.

She raised this with Ned & Parag, but they rejected her staffing request.

I made it top priority immediately.@ellagirwin

— Elon Musk (@elonmusk)


Twitterが2022年11月末に発表した声明では、「Twitterの使命は、公共の会話を促進し保護すること、すなわちインターネットの広場になることです」と述べていますが、コリアー氏は自身が代表するSNSの安全性促進などを目的とするNetFamilyNewsにおいて、「Twitterは自動化されたコンテンツモデレーションに大きく依存すると述べており、このアルゴリズムでは、SNS上に増加するヘイトスピーチや誹謗(ひぼう)中傷からユーザーを守ることはできません」と指摘しています。

ラーマン氏はマスク氏がTwitterで行っている変革について、「マスク氏はネット上で何かをつぶやき、その都度運営ポリシーを変えています。彼はオンラインで世論調査を行い、それがポリシーの変更につながっていますが、それは運営のあるべき姿ではありません。運営ポリシーは科学的な根拠に基づいたアプローチであるべきであり、そして、常に人々の精神的な健康を考慮すべきなのです」と批判的な意見を述べています。また合わせて、TSCに残った約70人のメンバーに対し、「マスク氏が歩み寄りを見せない限り、TSCのメンバーは、一方的な対話を続けることが本当に自分たちの時間を費やす価値があるのかどうか、判断しなければならないでしょう」とコメントしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
イーロン・マスクがTwitterでアカBANされていた人々を復活させると発表、嫌がらせや差別などで追放された悪質なユーザーが帰ってくると危惧する声も - GIGAZINE

Twitterのヘイトスピーチがイーロン・マスクの買収後に急増していると研究者が報告、マスク氏は「全くの虚偽」と反論 - GIGAZINE

イーロン・マスクが永久凍結されたトランプ前大統領のTwitterアカウントを復活させる - GIGAZINE

Twitterの「シャドウバン」の実態を暴露するイーロン・マスクお墨付き社内文書「Twitterファイル」第2弾が公開される - GIGAZINE

Twitterの大規模内部リークから「トランプ元大統領を永久BANした際」の詳細が明らかに - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article here.