A4用紙40枚で1969年から2022年までのUNIXの歴史「Unix History」を一望してみた
歴史上初めて高水準言語で書かれたOSで、現代OSの始祖とも呼ばれる「UNIX」の50年以上にわたる歴史を時系列で示した「UNIX History」を、コンピュータの歴史を研究するÉric Lévénez氏が公開しています。A4用紙に印刷することも可能とのことで、実際にプリントしてその歴史の長さを感じてみました。
UNIX History
https://www.levenez.com/unix/
UNIX HistoryのA4印刷版は、PDFファイルのリンクが上記サイトに置かれています。「A4」のリンクをクリックしてダウンロード。
というわけで、このA4印刷版のPDFファイルを実際にプリンターで印刷してみました。
A4用紙で40枚。
40枚をつなげるため、右端だけ仕上がりサイズに合わせてカット。
セロハンテープでつなげていきます。
40枚すべてを並べて見たところ。A4用紙40枚をつなげると全長約8.2mとなり、会議室でもさすがに1列すべてを横に並べるのは難しかったため、20枚×2列で並べています。
スタートは1969年に開発されたUNICS。マサチューセッツ工科大学・ベル研究所・ゼネラル・エレクトリックが共同開発していたメインフレーム用に設計されたOSが基になっています。その後、UNICSはUNIXと名を変え、開発が進められていきます。
1973年にリリースされたバージョン4で、C言語に書き直されました。ここからUNIXの派生が始まり、UNIXの流れをくんだ多くのOSが開発されることとなります。
1980年代にはあまりにも大量のOSが派生しており、A4用紙に系統列がギュウギュウに詰まっています。Lévénez氏によると、「UNIX History」に載っているOSは全てではなく、実際はこの10倍の数があるとのこと。
1989年には、現代のmacOSの始祖にあたるNeXTSTEPが誕生。
1991年にはLinuxが誕生しています。Linuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏によれば、Linuxの誕生日は4つあるとのこと。このうちバージョン0.01は1991年9月17日にごく一部の人にだけこっそり公開されています。
1999年に誕生したMacOS X Serverは、2022年4月に廃止されました。
そして2001年に、NeXTのOPENSTEPの技術をベースに開発されたMac OS Xが登場。
2000年代に入るとOSの派生はかなり少なくなり、各OSがそれぞれバージョンアップを重ねています。
2007年5月にはAppleTV 1.0が、2007年6月には後にiOSとなるiPhone OS 1.0が登場。
iOSやmacOS Xのバージョンが進んでいきます。最下段には1998年から開発が行われているDebian GNU/Hurdや、2008年にリリースされたAndroidの名前も。
2022年で開発が続けられているUNIX系列のOSはこんな感じです。
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