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5nmで製造されるAMD製CPU「Ryzen 7000シリーズ」の海外レビューまとめ、Intel製CPUとの性能差やゲーミング性能が明らかに


DDR5メモリーやPCIe 5.0に対応したAMD製CPU「Ryzen 7000」シリーズが、日本では2022年9月30日(金)に発売予定です。そんな「Ryzen 7000」シリーズを一足早く入手した海外メディアがベンチマークスコアなどを公開していたので、Intel製CPUとの性能の差や前世代Ryzenと比べた性能向上をまとめてみました。

AMD Launches Ryzen 7000 Series Desktop Processors with “Zen 4” Architecture: the Fastest Core in Gaming | AMD
https://www.amd.com/en/press-releases/2022-08-29-amd-launches-ryzen-7000-series-desktop-processors-zen-4-architecture-the

AMD Zen 4 Ryzen 9 7950X and Ryzen 5 7600X Review: Retaking The High-End
https://www.anandtech.com/show/17585/amd-zen-4-ryzen-9-7950x-and-ryzen-5-7600x-review-retaking-the-high-end

AMD Ryzen 9 7950X and Ryzen 5 7600X Review: A Return to Gaming Dominance | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/amd-ryzen-9-7950x-ryzen-5-7600x-cpu-review

「Ryzen 7000」シリーズは「Zen 4」アーキテクチャを採用するCPUで、DDR5やPCIe 5.0といった最新規格に対応しつつ前世代の「Ryzen 5000」シリーズと比べてIPCが平均13%、シングルスレッド性能が最大29%向上していることがアピールされています。「Ryzen 7000」シリーズ発表時の情報は、以下の記事に詳しくまとまっています。

AMDの「Ryzen 7000」シリーズが2022年9月27日に登場、価格は約4万円から - GIGAZINE


「Ryzen 7000」シリーズのうち、詳細が発表されている「Ryzen 9 7950X」「Ryzen 9 7900X」「Ryzen 7 7700X」「Ryzen 5 7600X」のスペックは以下の通り。「Ryzen 5000」シリーズまではハイエンドCPUにGPUが内蔵されていませんでしたが、「Ryzen 7000」シリーズではすべてのCPUにRDNA 2世代のGPUが2コア内蔵されています。

モデルコア数スレッド数ベースクロックブーストクロックキャッシュPCIe内蔵GPUコア数TDP希望小売価格
Ryzen 9 7950X16コア32スレッド4.5GHz5.7GHz80MBGen 52コア170W699ドル(約10万1000円)
Ryzen 9 7900X12コア24スレッド4.7GHz5.6GHz76MBGen 52コア170W549ドル(約7万9000円)
Ryzen 7 7700X8コア16スレッド4.5GHz5.4GHz40MBGen 52コア105W399ドル(約5万8000円)
Ryzen 5 7600X6コア12スレッド4.7GHz5.3GHz38MBGen 52コア105W299ドル(約4万3000円)


海外メディアのAnandTechがまとめたブラウザ実行性能計測ツール「Octane 2.0」の実行結果が以下。「Ryzen 9 7950X」と「Ryzen 5 7600X」は前世代のRyzenを大きく上回る結果を記録し、IntelのハイエンドCPU「Intel Core i9-12900K」の結果も上回っています。なお、AnandTechは「Ryzen 7000」シリーズのテスト時には「DDR5-5200 CL44」のメモリを使用し、「12世代Intel Core プロセッサー」のテスト時には「DDR5-4800 (B) CL40」のメモリを使用したとのこと。


動画変換ソフト「Handbrake」で1080pのムービーを720pに変換した際の秒間処理フレーム数(fps)をまとめた図が以下。「Ryzen 9 7950X」と「Ryzen 5 7600X」は前世代のRyzenシリーズのfpsを上回っていますが、「12世代Intel Core プロセッサー」の上位モデルの方が良好なfpsを記録しました。


1080pのムービーを4Kに変換した際のfpsが以下。この設定では「Ryzen 9 7950X」が他のCPUを引き離して最も高いfpsを記録しました。


海外メディアのTom's Hardwareは、「GeForce RTX 2080 Ti」を搭載したマシンで各CPUのゲーム性能を計測しています。「ファークライ6」をフルHD・高画質設定で動作させた際の秒間描画フレーム数(fps)が以下。「Ryzen 7000」シリーズのCPUは3D V-Cache技術を採用したCPU「Ryzen 7 5800X3D」を除くすべてのCPUより高いfpsを記録しています。なお、「PBO」と記されたスコアはAMDが提供する自動オーバークロック機能「Precision Boost OverDrive(PBO)」を有効化した際のスコアです。


ウォッチドッグス レギオン」を動作させた際のfpsはこんな感じ。最も高いfpsを記録したのは全コアを5.1GHzにオーバークロックした「Intel Core i9-12900K」で、その次に「Ryzen 7 5800X3D」やPBOを有効化した「Ryzen 9 7950X」が続きます。


なお、「Ryzen 7000」シリーズではすべてのモデルにRDNA 2世代のGPUが2コア搭載されています。しかし、Tom's Hardwareが内蔵GPUのゲーム性能を検証しようとしたところ、ゲームが起動しないか、起動しても非常にカクカクとした動作で快適なプレイは不可能だったとのこと。このため、「Ryzen 7000」シリーズを搭載したゲーミングPCを組む際は、別売りのグラフィックボードを用意する必要がありそうです。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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