肌に貼り付けるだけで体内を超音波スキャンできる切手サイズの超音波ステッカーが登場

超音波スキャンは患者の内臓の状態を調べる手法としてよく用いられますが、病院や診療所にそれなりの設備が必要になります。この問題を解決する画期的な機器をマサチューセッツ工科大学(MIT)のエンジニアが開発しました。
Bioadhesive ultrasound for long-term continuous imaging of diverse organs
https://doi.org/10.1126/science.abo2542
MIT engineers develop stickers that can see inside the body | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2022/ultrasound-stickers-0728
どういった機器なのかは以下の映像を見ると一発でわかります。
Ultrasound Sticker - YouTube

腕にシールのようなものを念入りに貼り付けています。

しっかりくっついていて、軽く引っ張ったぐらいでは剥がれない状態。

わずかこれだけのことで超音波スキャンを実現しています。

機器のサイズは切手大、いわば「超音波ステッカー」。

従来の超音波スキャンはプローブ(接触端末)を当てる前に超音波を伝達するためのゲルを塗る必要がありましたが、長時間スキャン時には垂れたり乾燥したりすることがありました。超音波ステッカーはゲルとプローブが一体になっているので、貼り付けるだけでOK。

開発メンバーのChonghe Wang氏によると、伸縮性のある接着剤層とプローブの組み合わせにより、最大48時間にわたり高解像度画像が得られるとのこと。
開発チームは超音波ステッカーの機能のワイヤレス化を進めているほか、ステッカーから得られた画像をよりよく読み取って診断に生かせるように人工知能に基づくソフトウェアアルゴリズムの開発も行っています。今後は患者が直接ステッカーを購入し、内蔵のスキャンだけではなく、腫瘍の進行の確認や胎児の発育モニターとして使えるようにすることが想定されているとのことです。
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