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アメリカ財務省が仮想通貨ミキシングサービス「Tornado Cash」を制裁、北朝鮮の資金洗浄に関与か


アメリカの財務省が2022年8月8日に、北朝鮮系のサイバー犯罪グループであるラザルスグループなどのマネーロンダリングに関与したとして、仮想通貨ミキシングサービスのTornado Cashに制裁を加えたと発表しました。

U.S. Treasury Sanctions Notorious Virtual Currency Mixer Tornado Cash | U.S. Department of the Treasury
https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy0916

US Treasury sanctions cryptocurrency mixer Tornado Cash
https://www.theblock.co/post/162105/us-treasury-sanctions-cryptocurrency-mixer-tornado-cash

US treasury whips up sanctions for crypto mixer Tornado Cash • The Register
https://www.theregister.com/2022/08/08/treasury_sanctions_tornado_cash_korea/

仮想通貨ミキシングサービスとは、複数の取引データをミックスさせて仮想通貨取引の匿名性を向上させるサービスのことです。タンブラーやブレンダーとも呼ばれているこのサービスは、主にプライバシーの観点から利用されますが、仮想通貨の動きの追跡を困難にすることから犯罪組織による資金洗浄に使われることもあります。


アメリカ財務省の発表によると、仮想通貨ミキシングサービスのTornado Cashはラザルスグループが史上最大の仮想通貨盗難事件で盗み出した750億円以上に相当する仮想通貨の資金洗浄に関与したとのこと。

「NFTゲームからの750億円盗難事件」に北朝鮮のサイバー犯罪グループが関与していたことが判明 - GIGAZINE


さらに、Tornado Cashでは6月に発生したHarmonyへのハッキングや8月2日のNomadに対する攻撃など、複数のサイバー犯罪で盗み出された仮想通貨の資金洗浄が行われたと、アメリカ財務省は主張しています。

こうした点から同省は、Tornado Cashが保有するイーサリアムおよびUSDコインのウォレット44口を制裁対象者のリストであるSDNリストに追加したと発表しました。これにより、アメリカの個人および法人がアメリカ財務省の許可なくTornado Cashと取引することができなくなります。

5月6日には同じく仮想通貨ミキシングサービスを行っていたBlender.ioが制裁を受けており、仮想通貨の資金洗浄に関与したとしてミキシングサービスが制裁されるのはTornado Cashが2例目です。

アメリカ財務省テロ・金融情報局のブライアン・E・ネルソン財務次官は声明の中で、「財務省は本日、アメリカ国内の被害者に対して行われたものを含むサイバー犯罪の利益を洗浄した仮想通貨ミキサーであるTornado Cashを制裁します。そうではないと公言しているのとは裏腹に、Tornado Cashは悪意のあるサイバーアクターが定期的にマネーロンダリングをするのを阻止する努力を繰り返し怠り、リスクに対する基本的な措置も行いませんでした。財務省は、犯罪者や犯罪者に手を貸す人々のために仮想通貨を洗浄するミキサーに対し、今後も積極的な追及を続けていきます」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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