「OnePlus 10T」海外レビューまとめ、動作の高速さには満足も削られた機能を惜しむ声多数
中国のスマホメーカー・OPPO傘下のOnePlusが「OnePlus 10T」を発売しました。この端末は2022年1月に登場した「OnePlus 10 Pro」の一部機能を削りつつも、SoCを「Snapdragon 8+ Gen 1」にアップグレードし、モニターをアダプティブリフレッシュレート対応にするなどした上で価格も抑えた、決して「廉価版」ではないスペック違いモデルとなっています。端末を入手した海外メディアによるレビューが続々と公開されており、その実力やいい点・悪い点が浮き彫りになっています。
OnePlus 10T review: Powerful and contentious
https://www.androidpolice.com/oneplus-10t-review/
OnePlus 10T review: Speed above all | Engadget
https://www.engadget.com/one-plus-10-t-review-speed-above-all-specs-price-availability-153054303.html
The OnePlus 10T returns to a winning formula of high specs, low ($649!) price | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/08/the-oneplus-10t-brings-back-good-flagship-smartphone-pricing-649/
OnePlus 10T is a Pixel 6 from another reality - 9to5Google
https://9to5google.com/2022/08/03/oneplus-10t-hands-on/
OnePlus 10T Review: Zippy but Bland | WIRED
https://www.wired.com/review/oneplus-10t/
全体的な意見として、パフォーマンスは好評です。ハイエンド端末である「OnePlus 10 Pro」に搭載されていたSoCはSnapdragon 8 Gen1チップでしたが、「OnePlus 10T」はさらに新しいSnapdragon 8+ Gen1チップを搭載しており、端末として「動作の高速性」を目指しているのがはっきりしています。また、OnePlusとしてはじめてだというRAM16GBの選択肢も魅力の1つです。
また、細かいところながら、充電器を同梱するメーカーが減る中で、OnePlusは充電器を同梱しているという点もうれしいポイントです。最大150Wの充電性能は、OnePlus 10 Proの80Wを上回り、これまでのOnePlus端末で最速の充電速度も実現しています。ただし、北米では充電器の仕様の都合で最大125Wに制限されているとのことで、それでもOnePlus 10 Proよりは高速なので大きな問題ではないのですが、制限がかかってしまう点は各レビュアーの気になるポイントだったようです。
充電に関しては、高速化のためにワイヤレス充電機能が削られているところは、不満点として指摘されるポイントの1つ。イギリス在住で125W制限がかからないAndroid Policeのジェームズ・ベッカム氏は「ワイヤレス充電はないけれど、有線充電が十分に高速なので、なくても問題はありません」と許容していますが、9to5Googleのベン・スクーン氏は「ワイヤレス充電完全非対応には困惑しました」と表現。多数のワイヤレス充電器を活用しているというWiredのジュリアン・チョカッツ氏は「暗闇の中で電源コードを見つけるのは大変です」と述べました。
撮影性能は、OnePlus 10 Proと比べて機能が削られていることもあり「ミッドレンジ機ならこんなもの」という評価。Engadgetのサム・ラザフォード氏は「総じて、Pixel 6aと比べて明るく、シャープさではわずかに劣る写真が撮れます」とコメント。ただし、被写体との距離が4cmまで寄れるというマクロレンズについては「解像度が低く、ピントも合わないので、メインカメラだけを使った方がよい場合が多いです」と厳しめ。Android Policeも「スペックシートを埋めるだけのゴミ。理想的な状況以外での撮影はお粗末で、この予算を別の場所に使った方が確実です」と酷評しています。
また、残念なポイントとしては、OnePlusの端末の特徴だったアラートスライダー(物理ボタン)の削除が挙げられます。Android Policeは「削除することは理にかなっていますが、ユニークな部分の1つだったので非常に残念」と惜しみ、Engadgetも同様の意見を表明。9to5Googleも、「OnePlusの象徴的な部分だったアラートスライダーが削られました。機能が完全になくなったわけではありませんが、その存在感が失われたことを確かに感じます。追加アンテナが価値のあるトレードアップ(格上への交換)だったとは、今のところ思えません」と厳しい意見を述べています。
さらに、「IP54」(粉塵からの保護+いかなる方向からの水のしぶきによっても有害な影響を受けない)という防塵・防水性能も評価の低かったポイント。Ars Technicaのロン・アマデオ氏は「痛いコスト削減の1つが耐水性です。IP54規格では、水しぶきがかかっても問題はありませんが、水中では使用できず、シンクで洗うこともできません。何かを変えられるとすれば、一般的なIP68規格にすることです」とコメント。Wiredも「雨からは守ってくれますが、プールにつかることはできません。Google Pixel 6aですら耐水性評価は優れているのに、この高価なデバイスがそれに匹敵しないのはばかげています」と、性能不足を指摘しました。
649ドル(約8万7000円)という価格は、OnePlus 10 Proより安いため、ハイエンド機の派生形として捉えたレビュアーには好評でした。9to5Googleは「フラッグシップというには機能が足りず、ミッドレンジと戦うには高価」と微妙な位置づけであると前置きした上で、パフォーマンスに重点を置いた端末として考えるとライバルは1000ドル(約13万円)台のものばかりなので、ニッチな需要には適合していると評価しました。
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