10代の若者はニュースサイトよりもInstagramやTikTok、YouTubeで最新情報を得ているという報告
世間で今何が起きているか、何が話題になっているかという最新情報をゲットするための「情報ソース」について、十代の若者は新聞やニュースチャンネルよりもInstagram、TikTok、YouTubeを利用しているという調査結果が報告されました。その中でも特にTikTokがニュースソースとして急成長していると注目を集めています。
Instagram, TikTok and YouTube teenagers’ top three news sources - Ofcom
https://www.ofcom.org.uk/news-centre/2022/instagram,-tiktok-and-youtube-teenagers-top-three-news-sources
News consumption in the UK - Ofcom
https://www.ofcom.org.uk/research-and-data/tv-radio-and-on-demand/news-media/news-consumption
イギリスの放送通信規制機関であるOfcomが2022年7月に報告したレポートでは、イギリスにおけるニュース消費全体についてのアンケートやオンラインデータから分析した「人々のニュースに対する態度や消費傾向」が公開されました。その中で、イギリスの10代の若者は29%がInstagramでニュースを見ており、Instagramが最も人気のニュースソースとなっているとOfcomは報告しています。続いて、TikTokとYouTubeは若者の28%がニュースを視聴するために使用しており、テレビチャンネルのITVやイギリスの公共放送局であるBBCよりも高い割合で使われているとのこと。アメリカの分析会社であるForrester Researchによると同様の傾向はアメリカでも顕著に示されており、アメリカの成人の約4分の1、25歳未満の約半数がTikTokでニュースを取得していると発表されています。
5年前に行われた同様の調査では、若者の45%がBBC系列のニュースソースを利用していると記録されていましたが、2022年にはニュースを視聴するためにBBCを使用している若者は24%まで減少しています。一方で、BBCやITVといった放送局はTikTok内にチャンネルを立ち上げているため、TikTokを通じてこれらのニュースチャンネルが視聴されている可能性はあります。
TikTokは若者のニュースソースとして上位に位置すると同時に、成人の利用数も2020年の約80万人から2022年では約390万人まで増加しており、ニュース専門のウェブサイトやニュースアプリに匹敵する人気になっているそうです。また、TikTokのユーザーのうち「放送局などのニュース提供組織のアカウントからニュースを閲覧している」と回答したのは24%にとどまり、「フォローしている他の人々からニュースを取得する」という回答が44%に達しました。
10代の若者の間では、YouTubeとTwitterのユーザーの半数が「信頼できるニュース記事を獲得できる」と考えている一方で、TikTokはニュースソースとして高い人気がありながらも「TikTokにおけるニュースを信頼している」と回答した若者はわずか30%となっています。Ofcomの研究者であるテー・イーチョン氏は「今日のティーンエイジャーは、テレビニュースに耳を傾けるよりも、SNSをスクロールして最新の話題を追いかけています。若者はSNSの情報を信頼性が高いものとして評価しているわけではなく、ニュースや話題についてさまざまな意見を合わせて見られる点を高く評価しています」と述べています。
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