長年「Meta」だった企業が「Meta」の名前の横取りでFacebookの「Meta」を訴える
Facebookを運営するMetaは2021年10月に、社名を旧称のFacebookから現行のMetaへと変更しました。これに対し、Metaが改称するより前から「Meta」ブランドを使用してきた企業が、Metaを訴えました。
META, A REVOLUTIONARY SMALL BUSINESS, FILES LAWSUIT AGAINST META PLATFORMS (F/K/A FACEBOOK)
https://www.prnewswire.com/news-releases/meta-a-revolutionary-small-business-files-lawsuit-against-meta-platforms-fka-facebook-301589084.html
A company called Meta is suing Meta for naming itself Meta - The Verge
https://www.theverge.com/2022/7/19/23270164/meta-augmented-reality-facebook-lawsuit
没入体験型テクノロジーを手がけるMeta(以降はMeta.isと表記)は2022年7月19日に、大手IT企業のMeta(同Meta)を商標権侵害で訴えたと発表しました。Meta.isによると、同社は2010年の発足から12年間にわたり「Meta」という呼称を使用してきたとのこと。
1/On Oct. 28, 2021, Facebook seized the META name & mark, under which @jbolognino — a pioneer in the field of experiential & immersive technologies, and an initial guardian of the creator community — had the foresight to conduct business since 2010, when he founded Meta.
— META (@METAbeyond) July 19, 2022
[contd.] pic.twitter.com/UtXpy4EDmA
Metaに先駆けて、VRやARなどの技術を使って事業を展開してきたMeta.isは、社名についてMetaと協議を行いましたが、Metaは「両社の商品やサービスは全く異なる」として応じませんでした。これは、Meta.isが「多感覚ライブ体験」を提供しているのに対し、Metaは「ソーシャルテクノロジー企業」なのがその理由です。
以下のムービーを再生すると、Meta.isが展開するライブ体験がどんな感じなのかが分かります。
META // Show Reel from META: The Art of Being There on Vimeo.
結局、8カ月間にわたり両社の協議は平行線をたどったため、Meta.isはMetaを相手にした訴訟に踏み切りました。Meta.isの創設者兼CEOであるJustin Bolognino氏は声明の中で「社名を『META』へと変更したFacebookの行為は、私たちの名前やマークを違法に使用するものであり、私たちの事業だけでなく業界全体とその構築に貢献してきたイノベーターたちの知的財産権をも危険にさらしています。2021年の社名変更以来、当社はこの状況を解決するために誠実に努力してきましたが、Facebookが8カ月の間不法行為に対する責任を認めなかったので、私たちは訴訟を進める以外の選択肢はありませんでした」と述べました。
IT系ニュースサイトのThe Vergeによると、Meta.isは確かに名称についての有効な商標を保持しているものの、Metaも名称を変更してからソーシャルネットワークやメッセージサービス、金融サービスなどの個別の商標を含む幅広い商標を出願しているため、Meta.isは法廷で苦しい戦いを強いられる可能性があるとのこと。また、Meta.is以外にも炭酸飲料メーカーや義肢の製造メーカーなど、ハイテク製品以外に「Meta」という名称を使っている商標も多数あるそうです。
The VergeはMetaに対して本件に関するコメントを求めましたが、記事作成時点のところ返答はありません。
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