「聖人っぽい行動」を投稿しまくるTikTokerに非難が殺到
世界最大級の動画共有プラットフォームに成長したTikTokには、大量のムービーが日々投稿されています。投稿されるムービーの中には被写体の許可を得ていないものも多く、被写体となった人物が望まない編集が加えられてしまうこともあります。そんな無許可投稿ムービーの中でも「聖人っぽい行動を離れた位置から撮影するムービー」に対して「被写体の人物をモノ化してる」といった非難が集中しています。
Melbourne woman ‘dehumanised’ by viral TikTok filmed without her consent | TikTok | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2022/jul/14/melbourne-woman-dehumanised-by-viral-tiktok-filmed-without-her-consent
多くの非難が集中しているのは、300万人以上のフォロワーを抱えているTikTokチャンネル「lifeofharrison」です。lifeofharrisonは「見知らぬ人に『ジャケットを着る間、花束を持っていてください』と頼み、ジャケットを着た後で『良い日を!』などの粋な言葉を発して花束を持たせたまま立ち去る」や、「レジで支払い寸前の客に『お金を落としましたよ』と話しかけ、客が床を確認している間に支払いをすませておく」といった仕掛けられても相手が笑顔になりそうな行動を、離れた位置から撮影して投稿しています。
lifeofharrisonは数多くのムービーを投稿していますが、特に以下のムービーは記事作成時点で1100万回以上再生される大ヒットを記録しています。ムービーの内容は上述の「見知らぬ人に花束をわたす」という内容。ムービーには、「感動して泣いてしまった」といった称賛コメントとともに、「見知らぬ人に花束を渡されるのは迷惑」という主旨のコメントも寄せられています。
@lifeofharrison I hope this made her day better ❤️ #fyp #foryou #foryoupage #viral #wholesome ♬ original sound - Harrison
上記のムービーは、非常に多くの再生回数を記録してことによって、被写体となったマリー氏にも存在が知られることになりました。マリー氏によると、花束を渡された際に撮影が行われていることには気付かなかったとのこと。また、マリー氏は「素直に言うと、私は花束を持ち帰りたくありませんでした。しかし、(花束を渡してきた人物に)返すタイミングはありませんでした」と述べ、花束を渡されたことは迷惑であったと明言。加えて、ムービーを共有したメディアによって自身が「悲しい背景を持つ年配の女性」として扱われたため、「私は人間性を抹殺されたように感じました」と怒りの声をあげています。
ニュース共有サイトのHacker Newsには、lifeofharrisonが投稿している数々のムービーについて「ムービーは強引で搾取的で、非常に不快です」という感想や、「これらのムービーは感動を誘うために作られているようですが、私にとっては出先で人と関わりたくない理由を増やすものでした。今後は街中で親切にされても『TikTokに投稿する気かな』と考えてしまうでしょう」といった厳しい意見が数多く投稿されています。
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