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「金融犯罪」を理解するのに最適な良書5選


お金の発明と同じくらい歴史が古く、身近な生活にも関わりが深い金融犯罪の理解に役立つ書籍を、イギリスの週刊新聞であるThe Economistが5冊ピックアップして書評とともに公開しました。

The best books to read to understand financial crime | The Economist
https://www.economist.com/the-economist-reads/2022/07/11/the-best-books-to-read-to-understand-financial-crime

◆1:Treasure Islands(Nicholas Shaxson著)
イギリスの王立国際問題研究所で政治アナリストを務めるNicholas Shaxson氏の「Treasure Islands」は、オフショア銀行やタックスヘイブンが世界経済において果たす秘密の役割について書かれたノンフィクションです。本書についてThe Economistは「10年以上前の本ですがタックスヘイブン、つまり金融ジャーナリストから運動家に転身したShaxson氏が言うところの『秘密保護法適用地域』の世界を紹介する最良の本であることに変わりはありません」と評価しています。

Amazon | Treasure Islands | Shaxson, Nicholas | Panama


◆2:The Despot’s Guide to Wealth Management(J.C. Sharman著)
The Despot's Guide to Wealth Management」は、ケンブリッジ大学の教授であるJ.C. Sharman氏が私立探偵による調査や関係者への100回以上のインタビューなどを元に汚職、特に独裁的な指導者やその取り巻きによる国富の窃取について暴いた本です。例えば、リビアで不正に蓄財された資金がオフショア金融センターを経由してロンドンの不動産やスイスの銀行に送られるように、貧しい国々における独裁者の専横はしばしば先進国が絡む国際的な犯罪に発展しますが、警察は国内の犯罪しか取り締まることができず、国境を超えた協力体制はほとんど確率されていません。Sharman氏はこの本の中で、「主権国家の世界における国際的な法的措置固有の困難」を解決するために、各国政府が団結する必要があると訴えています。

Amazon | The Despot's Guide to Wealth Management: On the International Campaign Against Grand Corruption | Sharman, J. C. | Comparative Politics


◆3:Butler to the World(Oliver Bullough著)
Butler to the World」は、イギリスがどのようにしてオリガルヒ泥棒政治家(クレプトクラート)、マフィアなどによる悪事の舞台にされているのかを扱った本です。著者のOliver Bullough氏はこの本の中で、「第二次世界大戦後、帝国が衰退していく中でイギリスは国際資本の拠点としての新たな地位を開拓すると決断した」として、イギリスがグローバルなオフショアネットワークの中心地や巨大なマネーロンダリングの場になったのは意図的であると糾弾しています。

Amazon | Butler to the World: The book the oligarchs don’t want you to read - how Britain became the servant of tycoons, tax dodgers, kleptocrats and criminals (English Edition) [Kindle edition] by Bullough, Oliver | Sociology


◆4:American Kleptocracy(Casey Michel著)
American Kleptocracy」は、アメリカのデラウェア州やネバダ州でペーパーカンパニーを使った金融犯罪システムが確立された経緯や、そうしたアメリカの金融問題に立ち向かう人々がどのようにして政治体制に切り込もうとしているかを暴いた書籍です。The Economistはこの本について、「アメリカは脱税からテロへの資金提供まで、国境を越えた金融犯罪の撲滅で世界をリードしてきましたが、自国の秩序を守ることには失敗しました。著者はこの偽善に顕微鏡のレンズを向け、ニューヨークの不動産、マイアミの金融センター、デラウェアのペーパーカンパニー、サウスダコタの信託銀行を通過する膨大な額の不正資金の流れを明らかにしています」と紹介しました。

Amazon | American Kleptocracy: How the U.S. Created the World's Greatest Money Laundering Scheme in History | Michel, Casey | Economic Policy


◆5:Billion Dollar Whale(Tom WrightおよびBradley Hope著)
Billion Dollar Whale」は、マレーシアの国営ファンドである1マレーシア・デベロップメント・ブルハド(1MDB)から45億ドル(当時のレートで約5000億円)もの資金が不正流出したことが発覚し、マレーシアの政治家からハリウッドやウォール街の大物までを巻き込む一大スキャンダルに発展した問題を扱った本です。「本書は、ホワイトカラー犯罪者がいかにして金融の複雑性や法律、特にイギリスのプライバシー法や名誉毀損(きそん)法を使って、ジャーナリストや内部告発者など自分たちの罪を暴こうとする人たちを妨害したのかについて、ひいては『金融犯罪はその抽象的な性質から被害者はいないのだ』とみなす危険な誘惑について暴露した書籍です」とThe Economistは述べています。

Amazon | Billion Dollar Whale: The Man Who Fooled Wall Street, Hollywood, and the World | Wright, Tom, Hope, Bradley | Asian

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in メモ, Posted by log1l_ks

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