小島秀夫監督を安倍元首相暗殺犯とするフェイクニュースが報道機関から出回りコジマプロダクションが「法的措置を検討」と声明を出す事態にまで発展

2022年7月8日、奈良県・奈良市で演説を行っていた元内閣総理大臣の安倍晋三氏が銃撃され、のちに死亡するという事件が起きました。日本で起きたこの事件が世界中で報じられる中、メタルギアシリーズやDEATH STRANDING(デス・ストランディング)の生みの親として知られるゲームクリエイターの小島秀夫氏を安倍元首相の暗殺犯とするフェイクニュースが流れたため、同氏の立ち上げたゲームスタジオのコジマプロダクションが「フェイクニュースに対して法的措置を検討している」と声明を出す事態にまで発展しています。

Kojima Productions responds to false news reports linking founder to Shinzo Abe assassination | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/news-outlets-falsely-link-hideo-kojima-to-shinzo-abe-assassination-after-racist-joke/

Hideo Kojima’s studio says it will consider ‘legal action’ after fake assassin posts circulate - The Verge
https://www.theverge.com/2022/7/10/23202998/hideo-kojima-studio-legal-action-fake-assassin-posts-circulate-shinzo-abe-japan-prime-minister

2022年7月8日、奈良市で演説中の安倍元首相が山上徹也容疑者(41歳)が自作銃で撃たれ重傷を負い、病院に搬送されたのち、亡くなりました。事件当時の現場の様子は以下の記事にまとめられています。

安倍晋三元首相が演説中に襲撃され意識不明の重体か、銃撃を受け - GIGAZINE

この事件が世界中で報じられたのち、海外掲示板サイトの4chanユーザーが「小島秀夫監督の顔」と「銃撃犯の顔」を紐づけるようなフェイク画像を投稿しました。このフェイク画像のリプライには、ソビエト軍の帽子をかぶった小島監督の写真や、アルゼンチンの革命家チェ・ゲバラの写真と一緒に写った小島監督の写真も投稿されています。

これらのフェイク画像が出回ったのち、フランス人コメディアンのGeorges Jordito氏がTwitter上で「先ほど、メタルギアの生みの親の画像をアップロードしたり、元ACミラン所属の本田圭佑選手が安倍晋三暗殺犯であるとツイートしたりしたところ、これらのツイートがフェイクニュース判定されてしまいました。これはほんのジョークだったんだよ、みんな。僕はサッカー選手が暗殺犯だと考えるほどバカだと思ってるのかな？」とツイートし、ほんのジョークで「小島監督を暗殺犯とするフェイク画像」と「本田選手を暗殺犯だとする軽口」をTwitterに投稿したと説明しました。

しかし、Jordito氏が投稿した画像をフランスの極右派の政治家であるDamien Rieu氏が真実であると勘違いしツイートしたことで、「小島監督が安倍元首相の暗殺犯である」というフェイクニュースはギリシャやイランの報道機関に報じられることとなりました。

ギリシャメディアのANT1 TVによる報道はすでに削除済みですが、以下の画像をクリックするとインターネットアーカイブスからどのような報道内容だったのかを確認することができます。

その後、Rieu氏は自身のツイート内容がフェイクニュースだったことに気づき、当該ツイートを削除。さらに小島監督に向けて「ジョークを正しい情報と勘違いして拡散してしまいました。安倍元首相の暗殺についてユーモアを交えることができるとは思っておらず、情報を共有する前にファクトチェックを行わなかったことが間違いだったと思います。小島監督とメタルギアのファンに謝罪したいと思います」とツイートしています。

しかし、フェイクニュースの拡散を受けてコジマプロダクションは「虚偽の情報を伝えるフェイクニュースの拡散を強く非難します。我々はそのような名誉棄損を容認せず、場合によっては法的措置をとることを検討します」とアナウンスしています。