「Pornhubが合意に基づかない性的に露骨な動画を長年ホストしてきた」という調査報告を受け親会社のCEOが辞任

アメリカの週刊誌「The New Yorker」は2022年6月13日、「Pornhubに責任を持たせるための戦い」と題したアダルトサイトのPornhubに関する調査報告を掲載しました。「Pornhubは未成年の同意に基づかない動画を防ぐ手段を講じていない」と告発するThe New Yorkerの調査記事が掲載された直後、Pornhubの運営企業であるMindGeekのCEOとCOOが突然辞任を発表したことが報じられています。

Pornhub Parent Company's CEO and COO Resign - Variety
https://variety.com/2022/digital/news/pornhub-ceo-coo-resign-1235299691/

CEO and COO of Pornhub parent company MindGeek abruptly resign – TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/06/21/ceo-and-coo-of-pornhub-parent-company-mindgeek-abruptly-resign/

Pornhubは未成年が出演している動画や、合意に基づかない性的に露骨な動画を確認し、モデレーターによって精査していると運営であるMindGeekのポリシーには記載されています。しかしThe New Yorkerの調査によると、Pornhubで自分の同意に基づかないビデオや写真を発見した女性は、サイトから完全に削除されるまで何カ月も費やす必要があったとのこと。

Pornhubの元モデレーターが「ポルノサイトの実態と失敗」について語る - GIGAZINE

そして2022年6月21日、突然MindGeekのCEOであるフェラス・アントゥーン氏とCOOのデヴィッド・タッシロ氏が辞任を表明しました。アメリカのエンターテイメント産業専門雑誌であるVarietyへの声明の中で、MindGeekの代表者は「MindGeekは長期的な成長に向けて戦略的に動いており、MindGeekのエグゼクティブリーダーシップチームは日常業務を進行しながら、新しい代表の選出を進めています」と2022年初頭からリーダーシップの移行を進めていたと語っています。しかし、Varietyは2人が辞任した原因がThe New Yorkerの調査記事にあると見ています。

また、アメリカのIT系ニュースサイトであるTechCrunchもVarietyの報道を受け、MindGeekの声明を確認したとのこと。TechCrunchによると、MindGeekはThe New Yorkerの調査報告に対し「重大な誤解である」とPornhubの不適切なコンテンツへの対処能力について主張していますが、アントゥーン氏とタッシロ氏の辞任は後継者計画が完遂することなく唐突に行われたもので、The New Yorkerの調査報告からPornhubのビジネス戦略を守るためのものである可能性をTechCrunchは指摘しています。