日本発・世界最大級の垂直イチゴ農場がジャージーシティにオープン
高級イチゴの生産を手がける農業企業のOishiiが、ニューヨーク市にほど近いニュージャージー州ジャージーシティ市に垂直農場のイチゴ栽培農場を開設したと、地元紙・NJBIZが報じました。
Oishii
https://www.oishii.com/
World’s largest vertical strawberry farm opens in Jersey City
https://njbiz.com/welcome-ad/?retUrl=/worlds-largest-vertical-strawberry-farm-opens-in-jersey-city/
Oishii opens new product segment by introducing $20 berries
https://www.verticalfarmdaily.com/article/9428604/oishii-opens-new-product-segment-by-introducing-20-dollar-berries/
古賀大貴氏が2018年に創設した高級イチゴを生産するスタートアップのOishiiはこれまで、ジャージーシティなどの高級食料品店で大粒イチゴ8個入りの詰め合わせ「Omakase Berry」を50ドル(約6300円)で販売してきました。
一般消費者にはなかなか手が出にくい価格ですが、古賀氏は「このイチゴを食べると、その人のイチゴを見る目がガラっと変わります。なにせ、糖度が一般的なアメリカのイチゴの2~3倍もある、まったくの別物ですから」と話しています。
そしてOishiiは2022年5月18日に、7万4000平方フィート(約6875平方メートル)の広さを持つ旧アンハイザー・ブッシュ工場を改修して、世界最大のイチゴ垂直栽培農場「Mugen Farm」を開設しました。日本語の無限から名付けたこの新工場により、Omakase Berryを半額以下の20ドル(約2500円)で生産できるようになったとのこと。Oishiiはこのイチゴを、6月からWhole Foodsなどの小売店で販売する計画です。
古賀氏は地元紙の取材に対し、「この事業拡大は創業当初から計画してきたことであり、過去5年間取り組んできたことでもあります。より多くの方にご利用いただけるようになり、大変うれしく思っています」とコメントしました。
ジャージーシティの新農場施設は、カーニーにあるOishiiの研究開発施設で使われている第1世代の技術に比べて、消費する電力は60%、使う水は40%低減されています。
新工場ではまた、イチゴだけでなくトマト、ピーマン、メロンなどの生産も始まっています。古賀氏によると、すでにOishiiは同社のイチゴと同等の糖度を持つトマトの試験栽培に成功しているとのこと。
古賀氏は「世界一甘いトマトの作り方が分かったので、トマトの本格的な生産は時間の問題です。トマトの次はメロンです」と話しました。
・関連記事
未来の食料生産を支えるのは畑ではなく植物工場で行われる「垂直農業」になるかもしれない - GIGAZINE
作物をAIで管理して室内で育てる「垂直農場」は何が優れているのか? - GIGAZINE
土壌の健康を守る「有機農業」や「環境再生型農業」が農村の経済を活性化させるのか? - GIGAZINE
都会の真ん中でも農業を可能にする「垂直農場」のコンセプトアート - GIGAZINE
LEDとミストを自動制御して水使用量95%カットを実現する都会の植物工場「AeroFarms」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ