MicrosoftがSnapdragon搭載デスクトップマシン「Project Volterra」を発表&Visual StudioやVSCodeのArmネイティブ対応も告知
MicrosoftがQualcommのSoC「Snapdragon」を搭載した小型デスクトップマシン「Project Volterra」を発表しました。同時にVisual Studio 2022やVSCodeといった開発者向けアプリのArmネイティブ対応版が登場することも予告しています。
Create Next Generation Experiences at Scale with Windows - Windows Developer Blog
https://blogs.windows.com/windowsdeveloper/2022/05/24/create-next-generation-experiences-at-scale-with-windows/
Project Volterraが一体どんなマシンなのかは、以下のムービーを見るとよく分かります。
Introducing Project Volterra (Satya Nadella 2022 Build Keynote) - YouTube
Project Volterraは角が丸い薄型のデスクトップマシンです。
Snapdragonを搭載。AI処理プロセッサ(NPU)も組み込まれています。
ストレージにはSK hynixのSSDを採用しているようです。
背面には有線LANポート・Mini DisplayPort・USB Type-Aポート(3個)を搭載しており……
側面にはUSB Type-Cポートが2個搭載されています。
積み重ねられるデザインを採用。
ムービーではProject Volterraを2台重ねて3台のモニターに映像を出力しています。また、モニターにはArmにネイティブ対応したVisual Studioの画面が表示されています。
Microsoftによると、Project VolterraにはNPUが搭載されており、「Qualcomm Neural Processing SDK for Windows」を用いたAI開発が可能とのこと。MicrosoftはNPUを搭載した理由について「将来的には、ほとんどのデバイスにNPUが搭載されると予想しています。このため、エンドツーエンドのWindowsプラットフォームでNPUをサポートし、開発者がNPUの機能を簡単に活用できるようにしました」と述べています。
Project Volterraは2022年後半に出荷される予定です。また、以下のアプリやフレームワークのArmネイティブ対応も合わせて発表されています。
・Full Visual Studio 2022 & VSCode
・Visual C++
・Modern .NET 6 and Java
・Classic .NET Framework
・Windows Terminal
・WSL and WSA for running Linux and Android apps
また、MicrosoftはPython・Node・git・LLVMのArm64ネイティブ対応作業に参加しているとのことです。
なお、MicrosoftはArmマシンとして2019年に「Surface Pro X」を発表しています。実際に編集部でも「Surface Pro X」を入手して触ってみましたが、当時は「64bitソフトウェアが動作しなかったり、32bitソフトウェアもより強い互換性を持たせるとパフォーマンスが落ちてしまったりする」といった問題が見受けられました。一方で「ARM版Windows」としては実用可能なレベルに到達していたため、開発者向けツールの多くがArmにネイティブ対応することでArm版Windowsの使い勝手の向上が期待できそうです。
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