コラム

インターネットやSNSを使った匿名の誹謗中傷に心えぐられる


匿名こそ「無敵の人」な気がします。どんな発言であれ、身バレしなければフェードアウトしておしまい。また新しい匿名に転生すればやり直せます。でも、それで健全な社会は保てるのでしょうか。少なくとも私は、これまでの匿名の方による一方的な発言は看過できません。

ごぶさたしております。自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。最近はずっと紙の書籍出版に向けて動いていました。またひとつ夢が叶います。しかし、この紙の出版にしても、匿名の方からどぎつい言葉をいただきました。

実際に私のもとにどのような言葉が届いていたか、いくつか事例を紹介します。

◆4つのケース
・1:Eメール(2012年11月ごろ)


こんにちわ
始めに謝っておきます。恐らくこの文章は、あなたにとって不快に思われることでしょう。
ただ書かずにはいられなかったのです。申し訳ない。

あなたが旅の記録を執ることは個人の自由であり特に何も思わないのですが、私は読みたくありません。
理由はいくつかあるのですが、不自然な日本語、過剰な句点「。」とその影響による「ですます」過多、単純な興味不足、そして単調な内容の連続による「飽き」などです。

読みたくなければあなたのサイトを閲覧しなければいいのですが、問題はGigazineです。
普通の記事にあなたの投稿が混ざっています。
そもそもあなたの記事を見かけるようになったのはGigazineのせいですが。

我々読者はGigazineの記事の中からあなたの投稿をクリックしないよう、注意深く選り分ける作業を強いられています。
願わくば、タイトルで選別すべくタグのようなものを設置して欲しい、とも思ったのですが、逐一あなたの・・その、何でしたか。「チャダリーマン」となる奇妙な単語を見たくもありません。
(この文面を書く上での予備知識として、「チャダリーマン」なる単語の意味を調べてしまいました。
好きでもないモノについて労力を割く事は苦痛ですね。)

振り返ってみると、Gigazineの記事は記者の個をあまり前面に出さないスタイルなのですね。
そんな中で唐突に「こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。」
などと書かれて「誰だよお前、というかチャリダ・・何?チャリティー団体の人?」
と反感を覚えたのが発端かもしれません。

返信等はいりません。
こういう読者もいるんだなと思っていただければ、それで十分です。

これは、私の記事をクリックしたことを残念がる方のようでした。もしそうなら、面白そうな記事を書いて対抗するしかありません。しかし、これも1つの意見。伝えないのはフェアではないと思ったので、「こういう声があった」ということは編集部にも伝えました。

・2:ブログのコメント(2013年10月ごろ)

私は2009年に世界一周旅行して、その旅行記(リアルタイムでブログを更新していた)を出版したいと考えていた。
私には出版関係の知人が数人いた。
ブログである程度の形になっているので、私は知人に相談した。
私「これを出版できないかと考えているんですよ、どう思います?」
知人「面白いと思いますよ。原稿を全部完成させてから改めて話を持ってきて下さい」
私「それは出版の確約じゃないですよね?」
知人「当たり前じゃないですか。原稿を見なきゃ話になんないですよ」
私「それだと金がきつくてモチベーションが上がらないのですが……」
知人「ねえ、あなたねえ。ド素人がブログで小説を書いていました。ブログには数百人の読者がいました。で、ブログの実績をもとに”私には読者がいます”といったところで、原稿を仕上げてもいない作家の小説を、出版社が出版確約しますか? しないでしょ。出版の世界ってのはね、完成された原稿ありきなんですよ。どれだけ可能性を秘めていようとも、原稿を完成させられなかったら出版できないですよ」
はい、すみませんでした。
今まで一冊の本も書いたこと無いド素人が、出版の確約をもらうなんてあり得ないことが分かりました。
すみませんでした。

分かりづらかったと思うので、出版社の言い分をシンプルに。
・出版実績のない(自称)旅行作家の持ち込み企画なんて、相手にしねーよ。
・相手にして欲しかったら、企画じゃなくて「完成原稿」を持ってこい。
・あんたのブログは誤字脱字誤変換が多くて、校閲が大変だってことが今から容易に想像つくんだよ。
・海外からアップロードしているから誤字脱字誤変換が多いんですなんて言い訳すんなよ。オンラインで原稿書いているわけじゃあるまいし、誤字脱字誤変換が多いのは、それがあんたの日本語力なんだよ。
・この程度の日本語力で本を出したいだ? そう言うなら完成原稿をもってこい。
・あのね、世界一周したチャリダー日本人にはね、石田ゆうすけっていう人がいてね、この人は何冊も本を書いていてね、文章が上手いんだよね。個々のエピソードも面白いんだよね。
・それらを超える物を書けるの、あなたは?
ってこと。

私が個人ブログで書いた「もし出版するなら絶対に契約書は必要」という記事へのコメントでした。

旅をしていると、出版や仕事のお話が舞い込んできます。だからといって、信用できるとは限りません。感情の行き違いが生じることもあります。この記事はそれゆえの、自身への戒めとしての記事でした。

行かずに死ねるか!」の著書で有名な石田ゆうすけさんの文章力はずば抜けています。その点についてはまったくもって同意します。だからこそ、私はつたなさを自覚した上で、本にする文章を何とかして書き上げました。

・3:Twitter(2015年9月ごろ)

チャリダーマンよ。他国の非効率性とかお前が言うなよ。お前は世の中にとっていてもいなくてもいいよな旅人だろうが。お前がビザ取るためになんらんでることがもう世の中の邪魔なんだよ。お前自身が効率を落としてるんじゃないのか。

当時、エゴサーチしていて見つけたツイートでした。私から「気持ちは分からない訳でもないですが、もうちょっとお手柔らかに」とDMを送ったところ、相手は「失礼いたしました。度が過ぎました」と削除してくれました。しかし、これですっきりしたのは相手方だけで、どこの誰だか分からない相手の不愉快な言葉は、私にとって今なお相当なストレスとなっています。匿名で反省されたって何の意味もありません。

・4:Eメール(2018年1月)

メッセージ:22歳、大学生の○○と申します。
20歳で、個人事業主として立ち上がり、働きながら大学に行くものです。
不躾な連絡ですみません。

高校生のころからGIGAZINEで、周藤さんの記事を読んでいました。
いつも若干の流し読みでしたが、写真などもあり文章も読みやすく、楽しんでいました。
昔のバイクのレビューなんかは参考になりました。当時の友人にドッペルギャンガーおすすめしたら、購入してたくらいです。
床屋の話も印象に残ってます。
一応愛読者だと思います。(まだ本は読んでないです。すみません。)

この度、お伝えしたいことがあって連絡しました。

知人のバックパッカーでずっと世界を回っていた人がいました。
北米からアフリカまで、本当に多くの国に行って、現地で働いたりもしながら殆ど海外をさまよっていた形です。
35歳過ぎたとかで、派遣の運転手になって、すごい勢いでお金貯めてました。
2年くらいして、お金も少し借りて、関東地方でゲストハウス始めたんですよ。
学生一人がバイトで手伝う、そこまで大きくないスタイルです。
僕は直接行ったことは無いんですけど。

本人曰く、ゲストハウスのオープンは数年越しに温めたアイデアで、自分の理想がそれなりに盛り込まれた素敵な空間だそうです。
飲み会で会った時、嬉しそうに語っていました。

ここからが少し暗い話になります。

先日、自殺したそうです。
ゲストハウスの経営に行き詰ったのが理由だそうです。

まぁでも、聞いたとき悲しかったんですけど、驚かなかったんですよね。
多分その人は、ゲストハウスが自分の人生の最初で最後の具体的な目標と理想で、それがうまくいかなかったんですから。
体力はどんどん衰えていくし、次の夢を探すモチベーションも材料も理由もない。
特別お金を稼ぐことがうまい人でもなかった。
結婚もしてないし、誰かに責任を取るような立場でもなかった。
シンプルな人だっただけに、シンプルな理由で死んでしまったのかなって、僕は思います。

やや偏りのある限られた経験と発想で人生が運営されており、ある程度運営可能な時期もあったものの、方向転換を誤って、時間的にも体力的にも取り返しもつかず、代替案も浮かばず、生きてる理由も特になくなったんで、死んだんだと思います。

別に欝っぽい人とかでもなかったですし健康そうでした。
死ぬ一か月くらい前にあったときも元気でした。

水を差すような話で申し訳ないです。
こんなお話、正直不快だったっと思います。
ごめんなさい。

ただ、僕は周藤さんとその人がダブりすぎてて、心配でなりません。

「自転車で世界一周した旅人が掲げるゲストハウスを作るという夢」
の記事も読みました。
・チャリダーのオアシスを作りたい
・旅を進めるために立ち止まれる場所
素敵だと思います。近かったら僕も行ってみたい。

ただ福岡にどれくらいの人が自転車で、しかも整備が必要な状態なハードな環境下で旅をしているんでしょうか。疑問です。
長期的な旅を続けるための、一つの場所が福島であるケースがどれくらいあるんでしょうか。疑問でなりません。本当に心配です。

周藤さんは、ゲストハウスを作った後のことを全く考えてないんじゃないですか。そんなオーナーのゲストハウス、旅の玄人から魅力的なんですかね。

出版がうまくいかなかったのは、出版の玄人からみて、アウトプットの質が低かったからですよね。悩みつつも電子書籍でお茶を濁しましたよね。

じゃぁ、ゲストハウスでの質が担保される理由って何ですか。
また、Airbnbを数年やって、お茶を濁す可能性、高くないですかね。
そんなんだったら、僕は凄いガッカリです。
うっかり本気でオープンして、潰れたら、それもすごいガッカリですし、すごく悲しくなると思います。

とどめは、講演会に関しての記事です。
講演会を断った理由をGIGAZINE経由で、今までの読者に見せびらかして、
「出版はやめて、講演会も自分のポリシー守りつつ、今は働いてゲストハウス計画してます。」
何を伝えたいのか僕はサッパリわからないです。

はてなブログで20代のプログラマーが書いてそうな、全く価値の無い独りよがりな情報です。正直に言って、暗い気持ちになりました。
自分で旅行時代の記事読み直して、もう一回今の記事見てみたらどうでしょうか。

長年、旅の記事を読みつづけ、集大成的に記事が書かれる時期で出てきたのが、こんな内容なんだ、という感じです。

国内外のゲストハウスで働き始めた等の記事とか始まったら、まだ夢中になって読めたんですけど。一個人が、楽しくないと思いながらやったことを記事として表現しても、誰の何のためにもならないと思います。

いま周藤さんは、誰に向けて、何をしているつもりなんですか?
世界一周のころには、文字越しに伝わってきたそその素敵な姿勢が、今の記事から全く感じられません。

今までの記事の大半は本当に僕を刺激してくれるものでした。感謝しています。本当に面白かったんです。唯一読み続けていた、ブログといっても過言ではないです。
ハリーポッターなんかよりよっぽど好きでした。

本当にこんな文章、ごめんなさい。
不快になられたと思います。返信も頂けなくて結構です。
申しわけない気持ちがあります。

ただの読者から、長年の感想をお伝えするファンレターでした。
これからも応援しています。嘘偽りない気持ちです。
頑張ってください。

2018年に書いた講演会にまつわるごたごたの記事のことでした。しかし、この記事を書いた結果、東京の写真展北九州のトークライブにつながりました。トークライブがあった北九州の新門司は、今となってはゲストハウスの候補地にもなりつつあり、十分に意味があるものでした。

彼とはその後、メールのやりとりをしました。彼からは以下のようなメールが来ました。

私の発言で、不快感を与えてしまったとのこと、深くお詫びを申し上げます。
2年以上ぶりに読み返したのですが、恥ずかしい気持ちでいっぱいです。
的外れな思考を元に、憤っていたのだと推測します。
全く、私は何様のつもりだったのか、身の縮む思いです。

加えて、「知人のバックパッカー」や「ゲストハウスを経営して自殺」のくだりはすべてウソだったそうです。ただ、そうだとしても、彼の指摘は言い得て妙でした。厳しいながらも愛はありました。

私からは以下のように返信しました。

私も昔は〇〇様のように希望あふれた未来を描いていたかもしれません。
でも、能力が追いつかない。
できないはいいわけであっても、
のらりくらりお茶を濁しながらやり過ごす人生もあります。
自身をあまり責めすぎるとつぶれてしまいます。

血がにじむような努力を重ねてスーパーマンになれたとします。
そこに立つと、努力が足りないスーパーマンになれない人に、いらだってしまうでしょう。其の気持は分かります。
でも、誰しもがスーパーマンになれません。
スーパーマンから物足りなくみえても、スーパーマンになれない人だって、それなりに必死です


◆実名匿名論争


このような経験があるので、私は匿名でのSNS利用があまり好きではありません。匿名であっても、誰とも争わずに平和にSNSを使うことはできますが、一部では論争が絶えません。「大事なのはエビデンス」「誰が言ったかより何を言ったか」という人もいます。でも、人は神様ではありません。人にはさまざまな感情があります。どうしても匿名で何かを論じたいのであれば、実名でも恥ずかしくない発言を心がけるべきでしょう。匿名におけるそのふるまいが、自分が親の立場だったときに子どもに胸を張れるものなのか、しっかりと考えて欲しいです。

現実の社会は匿名ではなく実名によって成り立っています。いろんな人がいていろんな考え方があるこそ、ぶつからないようなバランス感覚は必要でしょう。私はそうしてます。だからこそ、実名で発言できない匿名の声はどこまで有意義なのでしょうか。「不正を告発する」のであれば、安全や身分の保障のために匿名なのもわかります。でも、多くはそういう事情ではないはずです。他人を尊重できるのであれば、匿名もありかもしれません。ですが、匿名を隠れみのにした安全な立場からの一方的な放言は、たとえ無関係であっても、見ているだけで心がえぐられます。ネットの世界はリアルさに欠けますが、現実社会の一部です。忘れてはいけません。

今回の取り上げたいずれのケースも、実名ならありでしょう。私は腹を立てますが、相手も相応のリスクを負います。でも、本当に実名での発言なら、もっと言葉を選んだはずではないでしょうか。こうしたこともあって、ここ数年はまったくエゴサーチをしていません。「何を言われていても私は気にしない」と強くなった気でいましたが、本当は怖いだけでした。これ以上、匿名の方による無責任な言葉に心をえぐられたくありません。

実名匿名論争は終わりは見えませんが、誰であっても被害者にも加害者にもなって欲しくありません。みんなで生きていきましょう。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter:@shuutak
Facebook:https://www.facebook.com/chariderman/
Instagram:https://www.instagram.com/shuto.takuya/
DMM講演依頼:https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)

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in コラム, Posted by logc_nt

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