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亜音速で飛行するドローンを高出力レーザーで撃ち落とす実験に成功したとアメリカ海軍が発表


アメリカ海軍が、2022年2月に行われた高出力レーザー防衛システム「 Layered Laser Defense (LLD)」のデモンストレーションにおいて、亜音速飛行中のドローン(無人飛行機)をレーザーで撃墜することに成功したと発表しました。

Laser Trailblazer: Navy Conducts Historic Test of New Laser Weapon System > United States Navy > News-Stories
https://www.navy.mil/Press-Office/News-Stories/Article/2998829/laser-trailblazer-navy-conducts-historic-test-of-new-laser-weapon-system/

The US Navy takes down a drone with an all-electric laser for the first time
https://interestingengineering.com/us-navy-drone-electric-laser

LLDはロッキード・マーティンによって設計・製造されたシステムで、ドローンやミサイルをレーザーで攻撃したり、高解像度の望遠鏡で空中の脅威を追跡したり戦闘分析を行ったりすることが可能です。

2022年2月にニューメキシコ州のホワイトサンズ・ミサイル実験場で行われたデモンストレーションでは、飛行中の亜音速巡航ミサイルをイメージしたドローンを撃墜するために、LLDの高出力レーザー兵器が使用されました。

デモンストレーションで標的となったドローンは赤色に塗装されています。


高出力レーザーの照射を受けるドローンの写真が以下。


レーザー兵器によってエンジンにダメージを受けて飛行不可能となり、パラシュートで下降するドローン。


アメリカ海軍研究局によれば、「亜音速飛行中の物体を全電気式の高出力レーザー兵器で撃墜」したのは初めてとのこと。固体レーザーを採用する艦載レーザー兵器「Laser Weapon System Demonstrator(LWSD)」のテストが2020年5月に行われていますが、今回使われたLLDは、全電気式になったことでLWSDと比べてよりコンパクトかつ高出力であり、さらにAIを使った標的の追跡とターゲティングが可能だとのこと。

軍艦からレーザービームでドローンを撃墜するテストに成功したとアメリカ海軍が発表 - GIGAZINE


アメリカ海軍の海軍研究局(ONR)は1980年代からレーザー兵器システムの開発を推進してきたとのこと。当初は化学反応によってレーザーを放射する化学レーザーが研究されていましたが、化学レーザーは運用に伴う物流上の課題が解決できず、実戦への応用が困難とされていました。LLDで使用されているレーザーは、完全い電気で動作する全電気式レーザーとなります。そのため、船の上でも電気が供給され続ければ機能し、火薬や化学物質を使わないので安全性が高いとアメリカ海軍は述べています。

アメリカ海軍のローリン・C・セルビー少将は「LLDのような革新的なレーザーシステムは、海軍の戦闘活動の将来を再定義する可能性を秘めています」とコメントしています。また、ONRの航空・戦力投射・統合防衛部のプログラムオフィサーであるデヴィッド・キール元海軍大尉は「LDDは、海軍に対する重大な脅威を排除するための非常に高度なレーザーシステムの1例です。アメリカ海軍は、今回のデモンストレーションの結果を基にした取り組みを続けていきます」と述べました。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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