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ウクライナが「対戦車爆撃」にStarlinkを活用し始めたという報道

by Official SpaceX Photos

ウクライナ軍がオンライン接続に乏しい地域でも監視ドローンや爆撃用無人航空機の連携を実現するため、テスラのCEOとして知られるイーロン・マスク氏が率いる民間宇宙開発企業のSpaceXの衛星インターネットを活用すると報じられました。

Elon Musk’s Starlink helping Ukraine to win the drone war
https://www.telegraph.co.uk/world-news/2022/03/18/elon-musks-starlink-helping-ukraine-win-drone-war/

Starlink helps Ukraine’s elite drone unit target and destroy Russian tanks | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2022/03/starlink-helps-ukraines-elite-drone-unit-target-and-destroy-russian-tanks/

報道によると、インターネットと停電の悪化が予想されるという状況下において、ウクライナが着目したのが「通信の一部をStarlinkに置き換える」というものとのこと。ウクライナ軍のAerorozvidka(空中偵察部隊)は農村地域などのオンライン接続環境に乏しい地域では、Starlinkを活用してターゲット情報や戦場データベースへのアクセスを行う見込みです。

第一報を届けたイギリス大手紙Telegraphの図解が以下。一般的な人工衛星は621マイル(約1000km)以上という高高度で地球を周回していますが、Starlinkは高度341マイル(約548km)を周回しているため、戦場で求められる迅速な通信が可能です。一方、人工衛星の個数自体はStarlinkはまだまだ少ないという状況。


AerorozvidkaはStarlinkに接続し、監視ドローンを用いた敵機識別システムと無人航空機を用いた精密対地爆撃の連携を実現します。


マスク氏の指示によってウクライナで爆速で開通したという民間用Starlinkについて、ウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相は「品質が素晴らしい」と賛辞を送ったことから、ウクライナでは民間用・軍用の両方でStarlinkが大いに活用される見込み。他方、今回のウクライナ軍のStarlink活用について、ロシア宇宙機関総裁のドミトリー・ロゴージン氏は「これこそが西側が決して信頼に値しないという証左です。ロシアがウクライナの領土内で自国の国益を求めようとしているとき、イーロン・マスクがこれまで純民生用とうたっていたStarlinkを携えて現れました」とコメントしているとのことです。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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