ペットフードに「絶滅危惧種のサメ」が含まれていることが判明
シンガポールで販売されているペットフードを調査した研究チームが「サンプルの約30%がサメのDNAを含んでいる」と報告しました。検出されたDNAの中には、絶滅危惧種のものも確認されています。
Frontiers | DNA Barcoding Identifies Endangered Sharks in Pet Food Sold in Singapore | Marine Science
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmars.2022.836941/full
Threatened sharks are turning up in pet food, DNA testing shows | Live Science
https://www.livescience.com/endangered-sharks-in-pet-food
新たに「ペットフードから絶滅危惧種のサメのDNAを検出した」と報告したのは、シンガポール国立大学に所属するイアン・フレンチ氏ら。フレンチ氏らはシンガポールで販売されているペットフードの原材料表記が「魚類」「白身魚」「海水魚」などの曖昧なものが多い点に疑問を抱き、DNAから種名を特定する「DNAバーコーディング」と呼ばれる手法を用いて原材料表記からは読み取れない「本当の原材料」を調べるという実験を行いました。
フレンチ氏らがシンガポールで代表的なペットフードブランド16社の製品45種からサンプルを収集してDNAバーコーディングを実施したところ、サンプルの31%に「サメのDNA」が含まれていると判明。さらに、これらのサメに絶滅危惧種で指定されている種や、絶滅危惧種扱いではないものの個体数減少などの理由から取引が規制されている種が複数含まれていることを突き止めました。
論文によると、サンプルに最も高頻度で含まれていたサメは、1位がヨシキリザメで2位がクロトガリザメ、3位がネムリブカとのこと。ヨシキリザメはワシントン条約においても国際自然保護連合(IUCN)においても絶滅危惧種という扱いではありませんが、近年は乱獲によって漁業制限が検討されている種。クロトガリザメはワシントン条約の附属書IIに記載された「取引を規制しなければ絶滅のおそれのある種」という扱い。ネムリブカはIUCNによって保全状況が危急種に分類されている魚種です。
今回の研究結果について、フレンチ氏らは「ペットフード会社が原材料表記の中でサメ肉を『海水魚』などと具体名を避けた書き方にすることは違法でははないものの、サメの個体数は1970年以降71%も減少し、全サメ種のうち75%が絶滅の危機に瀕しているという事実を鑑みると現在の表記は適切とはいえないだろう」とコメントし、消費者に対してより多くの情報を提示するように促しています。
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in 生き物, Posted by darkhorse_log
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