生き物

爬虫類の20%が絶滅の危機、カメやワニは50%超


絶滅のおそれのある生物リスト(レッドリスト)を作成していることで知られる国際自然保護連合(IUCN)などの環境団体が連名で「世界の爬虫(はちゅう)類の20%が絶滅の危機に瀕している」という調査結果を発表しました。

A global reptile assessment highlights shared conservation needs of tetrapods | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-022-04664-7

World’s reptiles comprehensively assessed – IUCN Red List | IUCN
https://www.iucn.org/news/species/202204/worlds-reptiles-comprehensively-assessed-iucn-red-list

Comprehensive Study of World’s Reptiles
https://www.conservation.org/press-releases/2022/04/27/comprehensive-study-of-worlds-reptiles

One-fifth of reptiles worldwide face risk of extinction | CTV News
https://www.ctvnews.ca/climate-and-environment/one-fifth-of-reptiles-worldwide-face-risk-of-extinction-1.5878393

爬虫類の絶滅に関する調査報告はIUCNやConservation Internationalなどの環境系国際NGOに所属する研究者らが連名で発表したもので、世界中に生息する爬虫類1万196種の保全状況を包括的に分析した結果が記されています。

分析の結果、全体の約21.1%にあたる1829種が絶滅危惧種(IUCNのレッドリストカテゴリーにおける「危急」「危機」「深刻な危機」に相当)に分類されました。絶滅危惧種と分類された種の中でも特に有名なものは、キングコブラ・ガラパゴスウミイグアナ・インドガビアルなどで、目レベルではカメ目(57.9%が絶滅危惧種)やワニ目(50.0%)が最も絶滅危惧種が多い種に匹敵すると特筆されており、科レベルではイグアナ科(73.8%)やコブトカゲ科(60.0%)が特に危機的状況とのこと。


IUCNなどの公式発表によると、爬虫類の大量絶滅を招いているのは農地拡大や森林伐採、都市開発による生息地の喪失が主な原因で、特に爬虫類の生物多様性に富む南アジア・東南アジアにおける生息地の喪失が問題になっているとのこと。また、侵略的外来種や人間による持続不可能な狩猟・捕獲なども世界的に問題となっているとIUCNらは指摘しています。

IUCNは鳥類や哺乳類、両生類に関しても同様の包括的分析結果を発表しており、各種における絶滅危惧種の割合は鳥類が13%、哺乳類が25%、両生類が40%超となっているとのこと。今回の結果について、IUCNの多様性評価部門の責任者を務めるニール・コックス氏は「この評価は、爬虫類が直面している脅威について疑いの余地のないものです。もし我々が爬虫類を失うことになれば、何十億年という進化の歴史を失うことになることでしょう」とコメントしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「昆虫は絶滅の危機に瀕している」ことがアマチュアグループの長期的調査のデータから明らかに - GIGAZINE

「人類のせいで100万種の動植物が絶滅の危機にある」という報告書が発表される - GIGAZINE

哺乳類の絶滅速度が加速し多様性の回復には500万年以上かかる - GIGAZINE

野生のコーヒー種の60%が絶滅の危機に瀕している - GIGAZINE

in 生き物, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.