生き物

「ブラックライトで照らすと光る遺伝子操作熱帯魚」が自然界で繁殖していることが判明

by Dennis Amith

遺伝子組み換え技術の発展に伴って、観賞魚市場では「色鮮やかな魚」や「ブラックライトを照射すると光り輝く魚」などの派手な見た目の魚が開発されています。そんな遺伝子組み換えを施された観賞魚が自然界に定着している事例が科学誌Scienceで報告されています。

Transgenic glowing fish invades Brazilian streams | Science | AAAS
https://www.science.org/content/article/transgenic-glowing-fish-invades-brazilian-streams

見た目の派手な観賞魚と言えば、以前は交配を繰り返して派手な個体をより分ける品種改良が一般的でしたが、近年では遺伝子組み換え技術を用いることで「ブラックライトを照射すると光り輝く魚」などの奇妙な特徴を持った観賞魚も生み出されています。例えば、以下の「GloFish」というブランド名の魚は、ブラックライトを照射するとピンクに光る魚と緑に光る魚の6匹セットで56.99ドル(約6900円)で販売されています。


上記のような遺伝子組み換え生物を自然界に流出させることは生態系に多大な影響を与えるため禁止されています。しかし、2014年にはフロリダ州の運河でGloFishの生きた個体が確認されました。この運河にはオオクチバスなどの捕食者が生息していたため、GloFishは次世代を生み出す前に捕食されたと推測されています。

その後、2015年にはブラジルの「ゼブラフィッシュの捕食者が存在しない河川」で観賞用に遺伝子組み換えを施されたゼブラフィッシュが発見されました。ブラジルで遺伝子組み換えゼブラフィッシュを発見した研究チームによると、問題のゼブラフィッシュは一般的なゼブラフィッシュと比べて早期に成熟するとのことで、増殖を続けて生態系に多大な影響を及ぼす可能性が指摘されています。

さらに、遺伝子組み換えゼブラフィッシュはブラックライトを照射せずとも天然ゼブラフィッシュよりも目立つ色合いをしているため、既存のゼブラフィッシュと遺伝子組み換えゼブラフィッシュが交配することで「目立つ色合いのゼブラフィッシュ」が多く生まれた場合、捕食者に狙われやすくなるという懸念も存在しています。

by Karen Swain

ブラジルで遺伝子組み換えゼブラフィッシュを発見したアンドレ・マガリャンイス氏によると、記事作成時点では遺伝子組み換えゼブラフィッシュの個体数はわずかとのことですが、マガリャンイス氏は今後大きな損害がもたらされる可能性を指摘しています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1o_hf

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