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「賃貸物件で特定のインターネットサービスプロバイダしか契約できない問題」の解決にFCCが乗り出す


インターネットは現代人にとって欠かせないインフラストラクチャーの1つとなっており、インターネット回線が貧弱だと生活の質が大きく下がってしまいます。そこでアメリカの連邦通信委員会(FCC)が、「賃貸物件で特定のインターネットサービスプロバイダ(ISP)しか契約できない問題」の解消に向け、新たな規則を採択しました。

FCC Acts to Increase Broadband Competition in Apartment Buildings | Federal Communications Commission
https://www.fcc.gov/document/fcc-acts-increase-broadband-competition-apartment-buildings-0


FCC ADOPTS RULES TO GIVE TENANTS IN APARTMENTS AND OFFICE BUILDINGS MORE TRANSPARENCY, COMPETITION AND CHOICE FOR BROADBAND SERVICE
(PDFファイル)https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-380316A1.pdf

Rebuffing cable lobby, FCC bans deals that block competition in apartments | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2022/02/rebuffing-cable-lobby-fcc-bans-deals-that-block-competition-in-apartments/

賃貸物件に入居する前は「可能な限り回線速度の速いISPと契約しよう」と思っていたのに、いざ入居してみたところ家主と特定のISPが独占契約を結んでおり、その他のISPと契約できないというケースがあります。こうした事例では家主とISPの間で「加入者数に応じて一定の収益を分配する」という契約が結ばれている場合が多く、中には「ISP契約者数が多いほど家主のインセンティブが段階的に大きくなる」という契約もあるとのこと。


家主とISPの独占契約によって競争が妨げられて入居者が自由にISPを選べなくなっている状況を問題視したFCCは、2022年2月15日に「賃貸のブロードバンド競争を促進するための規則」を採択したと発表しました。新たな規則では、ISPが競争力のある競合他社を締め出すような収益分配契約を家主と結ぶことを禁止しています。

FCCのジェシカ・ローゼンウォーセル委員長は、「既存の規則では不十分であり、アパートメントで競争力のあるサービスを提供したいプロバイダのため、我々がより広い門戸を開くということを明示化しました」とコメントしました。今回の規則は新たな契約だけでなく、既存の契約にも適用されるとのことです。


また、収益分配に基づかない建物とISPの独占契約自体は禁止されないものの、新たな規則では入居者に対してこの契約を明示することを義務づけています。FCCは、「この規則ではプロバイダがテナントに対し、独占販売契約の存在を簡単でわかりやすく、すぐに理解できる言葉で通知することを求めています」と述べています。

さらに、これまではISP自らが建物の配線を提供し、自分たち以外のISPが配線を使用するのを禁止することでISPの契約を独占するという抜け道も存在していましたが、新たな規則はこの抜け道が違法であることを明確にしてISPの競争力を強めているとのこと。

メディアや通信事業の改善を求める団体のBenton Institute for Broadband & Societyで上級カウンセラーを務めるアンドリュー・シュワルツマン氏は、「この問題の規模は過小評価されていると思います。現行の規則はあまりにも回避が容易であり、家主と入居者はISPに関して選択肢と競争力のある価格という恩恵を受けられていませんでした。この命令は非常によいものです」とコメント。

FCCのジェフリー・スタークス委員は、「マルチテナントの環境で生活して働く何百万人ものアメリカ人は、あまりにも長い期間にわたり最高の通信サービスと価格を得るための障壁に直面してきました……私は本日の議案を支持し、マルチテナント環境における競争を妨げる他の障壁を取り除くため、仲間たちと引き続き協力することを楽しみにしています」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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