Googleがクラウドゲームサービス「Stadia」の優先順位を下げたとの報道、ストリーミング技術の販売に注力か
Googleが展開するクラウドゲームサービスの「Stadia」は、グラフィックボードを搭載したハイスペックPCや家庭用ゲーム機がなくてもスマートフォンやテレビなどで、最新のゲームを高解像度でプレイできるようになるというもの。サービス開始当初は順調に見えたStadiaですが、「Googleはストリーミング技術をサードパーティーに販売することに焦点を合わせており、Stadiaの優先順位は下がってしまった」と報じられています。
Stadia reportedly "deprioritised" as Google focuses on selling streaming tech to third-parties • Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/articles/2022-02-04-stadia-reportedly-deprioritised-as-google-focuses-on-selling-streaming-tech-to-third-parties
2019年のサービス開始当初、Stadiaは「Wi-Fi接続時の動作が不安定」という欠点はあるものの、「コントローラーを手にしてから数秒でゲームを開始可能で、ノートPCやスマートフォンでもプレイできるので、最高のグラフィックを大画面で見ることにこだわらないのであれば、かなり良い選択肢となり得ます」とまずまずの評価を受けていました。
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しかし、GoogleはStadiaのサービススタートから14カ月後にStadia専用のゲーム開発部門Stadia Games&Entertainmentを閉鎖。閉鎖理由について、Stadiaのヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのフィル・ハリソン氏は「最高クラスのゲームをゼロから作成するためには、何年もの歳月と多額な投資が必要で、このコストは指数関数的に上昇しています」とコメントしており、専用ゲームの開発に割いていたリソースを外部パブリッシャーとの提携拡大やプラットフォームの強化に充てるとしていました。
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by Marco Verch
さらにその後、Stadiaの目標月間アクティブユーザー数が数十万人単位で不足しているという報道もあり、Stadiaの行く末を案じる声も挙がっていました。そんな中、Business Insiderが独自に入手した情報として「Googleはストリーミング技術をサードパーティーに販売することに焦点を合わせており、Stadiaの優先順位は下がってしまった」と報じています。報道によると、GoogleはサードパーティーのAAAタイトルをStadiaに持ってくることへの関心をなくしつつあるそうで、ストリーミング技術の販売に8割のリソースを割き、Stadiaの展開にはわずか2割のリソースしか注がない予定であるとのこと。
ストリーミング技術の販売相手として名前が挙がっているのがカプコンで、「自社サイト上からでもタイトルをストリーミングでプレイできるようにする計画」について両社は話し合っていると報じられています。また、ストリーミング技術の販売交渉で、GoogleはBungieともかなり詳細な部分まで交渉を進めていたそうです。ただし、Bungieがソニーに買収されてしまったため、Googleとの交渉がどうなるかは不透明です。
Stadiaの方針転換が最終的に何を意味することになるのかは記事作成時点では不明ですが、Googleは「2022年もStadiaに優れたゲームを提供していくことに引き続き注力していきます」とコメント。具体的には、既存の約200タイトルのゲームライブラリに、さらに100タイトルほどを追加する予定であるとしています。
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