ついにローンチした「Google Stadia」のレビューが登場、未来は感じさせるがまだ荒削りとの評価
2019年11月19日(火)からGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」が、北米やEUなど合計13カ国で正式サービスを開始しました。インターネット環境さえあれば、ノートPC、スマートフォン、テレビモニターなどで最新のゲームが楽しめるというStadiaですが、実際にプレイした人からは「Wi-Fi接続時の動作が不安定で画質も低く、まだまだ荒削り」といった声が挙がっています。
Google Stadia launch review: Gaming’s “future” looks rough in the present | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2019/11/google-stadia-might-be-gamings-future-but-in-the-present-it-looks-rough/
Google Stadia review: the best of cloud gaming is still just a beta - The Verge
https://www.theverge.com/2019/11/18/20970297/google-stadia-review-gaming-streaming-cloud-price-specs-features-chrome-pixel
2019年6月に開催されたゲームイベントE3 2019で、Stadiaの実機をプレイした人からは「ストリーミング配信されたゲームだと気づかないほど入力に遅延がないが、ゲームの配信はたびたびストップしてしまった」というレビュー結果が出ていました。レビューの詳細については以下の記事を読むとよく分かります。
Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」を実際にプレイして見えてきた強みと弱み - GIGAZINE
その後、2019年11月19日にサービスがスタートしたStadiaには、専用コントーラーと……
Googleの映像ストリーミングデバイス「Chromecast Ultra」が付属しています。
StadiaはNintendo SwitchやPlayStation 4の本体でゲームソフトをプレイするゲームハードとは異なり、ゲーム関連の処理はすべてクラウド上で行われ、映像だけがインターネットを介してモニターやスマートフォンにストリーミング配信されます。
そのため、テレビモニターや……
高性能なグラフィックボードを搭載していないChromebookでも最新のゲームがプレイできるようになっています。
また、別売りのスマートフォン固定用アクセサリの「Claw」を使用すると、Pixel 2・3・3aでもプレイ可能です。Pixel 4も対応しますが、プレイ可能になるのは2020年以降の見通し。なお、記事作成時点では、完全にワイヤレスでStadiaをプレイできるのはChromecast UltraからWi-Fiでテレビに出力した場合のみで、スマートフォン・タブレット・PCでプレイする場合は有線接続が必須となります。
専用コントーラーを手にした技術系メディアThe Vergeの記者によると、「ソニーのDualShock 4とMicrosoftのXbox One用コントローラーのいいとこ取りで、手によくなじみ、アナログスティックやトリガーボタンの使い心地や感度は良好」だとのこと。
実際にStadiaを有線でインターネット接続して使用すると、遅延はほとんど存在せず、オンラインでの通信対戦で格闘ゲームをプレイしても肉眼で確認できるような入力ラグはなかったとのこと。ニュースサイトArs Technicaの記者は「有線で接続した場合、Stadiaは仕様どおりの性能を発揮します。フレームレートは60fpsで安定しており、手元にあるゲーム機でのプレイと区別できません」と評価しています。
一方で、Wi-Fi接続すると途端に問題が発生します。1階上の部屋に設置されたルーターに接続したChromecast Ultra経由でStadiaをプレイすると、最初は有線接続と同様にスムーズにプレイできたものの、すぐにChromecastの接続状況が「不安定」になり、解像度やフレームレートが急激に低下し、ついにStadiaがメインメニューに戻ってしまったとのこと。再接続は非常に早かったものの、プレイは中断されてしまうため、満足に通信対戦ができない状態だったとのことです。
物理的な距離は関係がないようで、目の前のルーターとWi-Fi接続したChromebookでStadiaをプレイしても、同様に動作は不安定だったそうです。ただし、別の日にiPadでNetflixの動画を流しつつ、別の部屋に置いたChromebookでゲームをプレイしたところ、問題なく動作したため「安定性にかなりのむらがある」とArs Technicaは指摘しています。
動作が安定している状況でも、画質はかなり落ちる様子です。以下の画像は、Stadiaの4Kモードで2018年8月にリリースされた「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」をプレイしている様子です。なお、Stadiaでは画面をキャプチャすることはできないので、この画像はiPhone 11 Proでモニターを直接写真撮影したものです。
一方、以下の画像は同じゲームのPC版を撮影したものです。比較すると、発色やテクスチャーの解像度にかなりの違いがあることが分かります。
別のゲームでも画質の低下がみられました。StadiaでFPSの「Destiny 2」をプレイしている画面を一眼レフカメラで撮影したものがこれ。赤枠で囲われた白いアイコンの部分が少しにじんでいますが……
PlayStation 4 Proで同じゲームをプレイし、一眼レフカメラで撮影した画面ではくっきりしています。
こうした結果から、The Vergeは「Stadiaのゲームが最高の画質設定で配信されていないことは明らかなので、ゲーム機やハイエンドのゲーミングPCと同様の映像や動作を期待している場合は、がっかりする可能性があります」と結論。Ars Technicaも「Stadiaはコントローラーを手にしてから数秒でゲームを開始可能で、ノートPCやスマートフォンでもプレイできるので、最高のグラフィックを大画面で見ることにこだわらないのであれば、かなり良い選択肢となり得ます。しかし、手元にあるゲーム機と同様の快適さをクラウドから得られる新しい製品かといわれれば、現状のところ答えは『ノー』です」と述べて、手軽さや複数の機器でプレイできることは評価できるものの、グラフィックや快適さはゲーム機に劣るとの評価を下しました。
・関連記事
Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」を実際にプレイして見えてきた強みと弱み - GIGAZINE
Googleの「Stadia」はいつ突然死するかとゲームの開発者は戦々恐々 - GIGAZINE
Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」は11月19日サービススタート - GIGAZINE
Googleのクラウドゲーム「Stadia」の詳細情報が8月19日に明らかに - GIGAZINE
月額1100円でゲーム遊び放題なGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」は11月スタート、ローンチタイトル30作も - GIGAZINE
Googleが独自のクラウドゲームサービス「Stadia」を発表、Googleが全力全開で放つサービスの詳細まとめ - GIGAZINE
約半額に値下げされたソニーのクラウドゲームサービス「PlayStation Now」、Google Stadiaに対抗か - GIGAZINE
任天堂はゲーム業界のトレンド「ストリーミング」について評価中とのこと - GIGAZINE
MicrosoftのスマホやタブレットからXboxのゲームをストリーミングプレイできる「Project xCloud」のパブリックベータテストが間もなくスタート - GIGAZINE
・関連コンテンツ