レビュー

戦闘・伐採・釣り・料理・採掘などの多様なアクションを「放置」で進めるブラウザゲーム風アドベンチャー「Melvor Idle」プレイレビュー


かつて人気を博したMMORPGの「RuneScape」のスキルシステムに影響を受けたというアドベンチャーゲームが「Melvor Idle」です。Melvor Idleはアニメーションどころか効果音やBGMすらないというシンプル極まりないシステムながらもSteamの2021年度アーリーアクセスゲーム売上ランキングに入賞していたので、実際にプレイしてみました。

Steam:Melvor Idle
https://store.steampowered.com/app/1267910/Melvor_Idle/

Melvor Idleは元々はブラウザゲームとのことで、アニメーションどころか効果音やBGMすらない簡素なスタイルのゲーム。


左側のカラムには「伐採」「釣り」「火起こし」などのコマンドがズラーッと並んでいます。「伐採」をクリックすると、以下のように伐採可能な木の一覧がメイン画面に表示されます。


後は欲しいリソースをクリックすると、上側のプログレスバーが動き出してそのリソースを繰り返し回収してくれます。このプログレスバーは100%になっても止まることはなく、限界に達するまでリソースを回収し続けます。


各種樹木の丸太を得られる「伐採」やさまざまな魚介類を得られる「釣り」などは何も消費せずに行えるアクションなので文字通り無限にリソースを回収し続けてくれますが、持っているリソースを別のリソースに変化させるアクションも存在しています。例えば「火起こし」は所有している丸太を焼却して、石炭の鉱石を獲得できるというアクション。


「料理」は所持している食材から回復効果のある料理を作り出せるというアクション。つまり、「火起こし」は「伐採」を、「料理」は「釣り」を前提としたアクションというわけです。


こうして得たリソースは、自分の強化に使います。例えば「採掘」で得られる鉱石を消費する「工作」では、短剣や長剣、グローブ、ヘルメットなどの各種装備を作成可能。


こうして作成した装備品はインベントリにあたる「金庫」から装備して……


攻撃や力などのコマンドをクリックして冒険に旅立てます。「戦闘エリアを見る」で表示される冒険先の一覧はこんな感じ。地名の横には「ベリーイージー」などの難度も表示されており、どれに挑めばいいのかわかりやすい設計。


最序盤の冒険先「農場」で戦える敵は、「雑草」「ニワトリ」「ウシ」「若い農夫」「大人の農夫」など。


そのうち1つを選択すると、戦闘がスタート。他のアクション同様に戦闘も完全にオートで、それぞれのキャラクターは自動でお互いを攻撃し続けます。


プレイヤーにできることは、主に回復剤の使用と戦闘スタイルの決定、そして逃走タイミングを決定することくらい。回復剤は釣った魚などの食べ物のことで、任意のタイミングで食べ物を食べてHPを回復させることが可能。このとき食べ物は調理済みのほうがHP回復量が大きいので、食材そのものを食べるのではなく、あらかじめ「料理」で食材から料理に変換しておくべき。


戦闘スタイルは「スタッブ」「スラッシュ」「ブロック」の3種で、装備によっては特定の戦闘スタイルを選ぶとステータスが上がる場合もありますが、基本的には戦闘スタイルのレベルに応じてそれぞれ「命中率」「攻撃力」「回避率」が上昇するという点が重要。例えばスタッブを選んで戦闘を続けるとスタッブに経験値が入り続けてレベルが上昇、命中率が高くなります。一般的なRPGのように基本レベルに応じて各種ステータスが伸びるといったことはないので、3種の戦闘スタイルをそれぞれ育てるというのが実質的にレベル上げに相当するという仕組み。


そのほか「ショップ」では、敵の討伐やアイテムの売却で得たゴールドや、討伐でしか得られない「討伐コイン」でさまざまなアイテムを購入したり、システム的な要素を開放できます。「アイテム所持数の増加」「自動回復剤使用」「一度に複数の木を伐採する」などのシステムや……


各種アクションの効率を高めるツール


戦闘で得られる各種資源や新規ダンジョンの開放


「料理成功率100%増加」「特定の資源獲得量倍増」「特定ステータス+80」などの強力な効果を持つ特殊装備「マント」などが品揃えは非常に豊富。戦闘で稼いだゴールドや討伐コインを費やすことで、各種生産アクションをさらに効率化できたり、倉庫管理などが楽になったりするというわけです。


実際にプレイしてみると、この手の放置系ゲームの中でも「それぞれのアクションの関連性」と「隠し要素」の2つが特徴的だという印象。例えば「戦闘をガンガンやっていきたい!」というプレイスタイルを選んだ場合、上位のダンジョンを攻略するためには強い装備と効果の高い回復剤(食べ物)の2つが必要です。そして強い装備は「鍛冶」、効果の高い回復剤は「料理」でそれぞれ作成できますが、「鍛冶」には鉱石を得るための「採掘」が、「料理」には食材を得るための「釣り」が必要。そしてそれらを効率化するためには、戦闘でゴールドや討伐コインを稼いでこなければならない、というようにそれぞれのアクション同士は密接に関連しています。


よってアクションをできる限り続けることが重要になっており、ゲームを起動していない間も「アクションが行える限り実行し続ける」という仕様。再びゲームを起動したときに、中断時に稼いでいたリソースを一挙に獲得できます。


一方、「隠し要素」については、上記の基本システム以外にもさまざまな隠し要素が仕込まれており、全貌については把握しきれないほど。例えば特定の行動を繰り返しているとごくまれに発見できる「ペット」。採掘で発見した「クールロック」というペットは、一定時間で枯渇する鉱石の寿命を延ばすという効果を持っています。


そのほかの隠し要素は「特別アイテム」。釣りで発見した「バーバリアングローブ」は装備すると「バーバリアンの釣り場」という隠し釣り場をアンロックしてくれるというアイテムで、バーバリアンの釣り場で釣れる魚には戦闘関連の経験値が得られるという効果がありました。


ごく普通にプレイしているだけでは明かされない要素も多く、例えば剣や斧などの近接攻撃の他にも、弓矢を装備すれば「遠距離」、杖を装備すれば「魔法」で攻撃できるのですが、これらは「近接攻撃は遠距離に強いが魔法に弱い、遠距離は魔法に強いが近接攻撃に弱い、魔法は近接攻撃に強いが遠距離に弱い」という三すくみの関係になっているという点がわかりにくめ。ある程度は公式Wikiに記載されていますが、いかんせん要素が多すぎるので、根本的には手探りです。


しかし、そうした手探り部分はあくまで寄り道に当たる部分で、基本的には各種アクションを放置して回しているだけで順調に進んでいきます。なので「どのアクションを放置しようかな」と悩みながら進めていき、たまに出くわす隠し要素が飽きをこさせないようなサプライズになっています。また、この手のゲームとしては珍しく買い切り型で、成長速度ブーストのような課金アイテムがない点も特徴でした。


なお、Melvor Idleはブラウザ版iOS版Android版が存在します。これらはUIが違うものの内容的には同一で、「プラットフォーム間でセーブデータを共有できる」という仕組みが実装されています。例えばSteam版の場合、ホーム画面から「サインイン」を選択。


「アカウントを作成する」という画面が右側に出てくるので、空欄にID・メールアドレス・パスワード・確認用パスワードと入力して「新規アカウント作成」をクリック。


すると「Successfully Registered!(登録成功!)」という表示が出るので「OK」をクリック。


作成したアカウントのIDとパスワードを入力して「サインイン」をクリックすると……


「クラウドセーブデータを表示する」というボタンが出現。これ以降のプレイは、クラウドにもセーブデータを保存できるようになります。


クラウドに保管したセーブデータは、ブラウザ版やモバイル版のMelvor Idleでも使えます。モバイル版Melvor Idleのホーム画面で「サインイン」をタップして……


先ほど作成したアカウントのIDとパスワードを入力して「サインイン」をタップ。


するとモバイル版のほうでも同じクラウドデータにアクセスできます。Steam版を購入した場合は、自動的にモバイル版のほうも購入しているという扱いになります。


ただし注意点が1つあり、Steam版のMelvor Idleを購入した場合は全てのプラットフォームで購入済みアカウントを使えますが、モバイルで課金した場合にはSteam版をそもそもプレイできません。これはモバイル版を購入したとしてもSteam自体に「Melvor Idleを購入した」という情報を読み込ませられないのが原因のようですが、Steam版もモバイル版もプレイしたいという場合はSteamで購入するようにしてください。なお、PCにはブラウザ版も存在するのでモバイル版を買ってもPCでプレイ自体は可能です。


Melvor IdleはSteamで税込1010円で購入可能です。

Steam:Melvor Idle
https://store.steampowered.com/app/1267910/Melvor_Idle/


モバイル版はそれぞれ無料プレイも可能ですが、今回レビューしたSteam版のように全要素を遊ぶには課金が必要。フルバージョンの価格は、iOS版が税込1220円で、Android版が税込1200円でした。

「Melvor Idle」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/melvor-idle/id1518963622

Melvor Idle - Idle RPG - Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.malcs.melvoridle

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in レビュー,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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