17億円以上を投じた新型コロナ通知アプリに月間869人しか陽性登録していないことが判明
日本で利用されている新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)については、通知が送信されない不具合や強制終了する不具合が存在することが大きく報じられました。COCOAのような接触確認アプリは世界中の国々でも開発・利用されていますが、カナダの接触確認アプリ「COVID Alert」が「2000万カナダドル(約17億8500万)を投じて開発されたにもかかわらず月間869人にしか利用されていない」として話題になっています。
With cases surging and new contact tracing policies, what happened to the COVID Alert app? - CityNews Toronto
https://toronto.citynews.ca/2021/12/24/covid-alert-app-contact-tracing-omicron/
COVID Alertはカナダ政府が2000万カナダドルを投じて開発したiOSとAndroid向けの接触確認アプリで、記事作成時点までに670万回以上ダウンロードされ、310万台以上のスマートフォンで動作しているとされています。
カナダ保健省が公開しているCOVID Alertの使用方法を確認すると、COVID Alertで正しく接触確認を行うためには新型コロナウイルス陽性と診断された人が自らワンタイムキーを入力する必要があると記されています。しかし、カナダ保健省の広報担当者であるAlex Beattie氏はカナダのニュースメディア「CityNews」に対して「2021年11月には869人の陽性者がワンタイムキーを入力しました」と発言。CityNewsは「2021年11月1日~2021年12月1日の間に、オンタリオ州だけでも1万8900件の症例が確認されています」と指摘し、陽性者によるCOVID Alertへの登録が少なすぎる現状を報じています。
Beattie氏は、「カナダ政府は、ワクチン接種を受けた人々に対してもCOVID Alertの使用を推奨しています。ワクチンについての研究が進行中で変異株に関する不確実性が存在する現状では、COVID Alertは新型コロナウイルスとの戦いにおける有用なツールです」と述べ、COVID Alertの使用を呼びかけています。
◆日本の状況
なお、日本でもCOCOAが2020年6月19日にリリースされてから2020年7月8日までに3人しか感染登録していないことが報じられていました。記事作成時点のCOCOAの利用状況を確認したところ、2021年12月24日までに陽性登録件数が4万515件に達していましたが……
国内の陽性者数は2021年12月26日時点で173万1515人に達しており、COCOAへの陽性登録件数は陽性者数の約2.3%にとどまることが分かります。
記事作成時点では、大規模なイベントなどでCOCOAのインストールが必須となっています。例えば2021年12月30日~2021年12月31日に開催予定のコミックマーケット99の注意事項には「スマートフォンを持っている方は、厚生労働省新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を事前にインストールして常に稼働・携行して下さい」と記されています。
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