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Oculus Questのバージョン35ソフトウェアアップデートが配信開始、複合現実カメラやMessengerなど数々の新機能が追加


Facebookは2021年10月に社名を「Meta」に変更し、同時に完全に新しい次世代ハイエンドVRヘッドセットの「Project Cambria」を含む、数々の新機能を発表しました。この時発表した新機能の数々が、現地時間の2021年11月30日から配信開始となったOculus Questのバージョン35ソフトウェアアップデートから段階的に提供されます。

複合現実が簡単に、Messengerでの通話、クラウドバックアップなど、最新情報をお伝えします
https://www.oculus.com/blog/mixed-reality-made-easy-messenger-calling-cloud-backup-and-more-in-the-newest-oculus-software-update/

Oculus Questのバージョン35ソフトウェアアップデートの提供がスタート。バージョン35から利用可能な機能は以下の通り。

◆モバイル複合現実カメラ
Oculusアプリにモバイル複合現実カメラが実装されました。モバイル複合現実カメラではOculus QuestでVRゲームをプレイしている様子を撮影することで、以下のようなムービーが撮影可能になります。以下のムービーでは、Oculus QuestでBeat Saberをプレイしている様子を撮影しています。

Bangarang - Skrillex Music Pack on Beat Saber #Shorts - YouTube


Oculus Questのバージョン35ではVRゲームやアプリ内で自分の映像を見たり録画したり共有したりすることが可能になります。2021年5月に配信されたバージョン29でOculus Questには「ライブオーバーレイ」という機能が追加されましたが、この機能はVRヘッドセット視点での映像とゲーム映像を合成するというものでした。しかし、バージョン35ではOculusアプリで撮影した映像とゲーム映像を合成することが可能になります。

なお、モバイル複合現実カメラを利用するにはQuestまたはQuest 2をバージョン35にアップデートし、iOS 11.0以降を搭載したiPhone X以降の端末にOculusアプリのバージョン139以降をインストールするだけでOK。モバイル複合現実カメラに対応しているVRゲームとしては、「Beat Saber」「SUPERHOT VR」「Pistol Whip」「Synth Riders」など約12種類のゲームやアプリがあります。

◆VRでのMessenger通話
VRヘッドセットを持っている人も持っていない人も、Messengerアプリで音声あるいはテキスト形式で気軽にコミュニケーションが取れるように、バージョン35からはOculus QuestでMessengerが利用可能となります。Oculus Quest版のMessengerでは、キーボードがなくても音声認識でテキストを入力したり、フレンドと通話したりが可能です。なお、Messengerで通話したりテキストを送信したりするには、Oculus Questで利用しているアプリやゲームがMessengerに対応している必要があります。

VRでMessengerを利用するとどんな風になるのかは、以下のムービーを見れば一発で分かります。

VRでのMessenger通話 | Quest - YouTube


◆「マルチユーザー」と「アプリ共有」を標準仕様に
Oculus Questはバージョン26ソフトウェアアップデートから、VRヘッドセットを共有する家族向けの2つの重要な機能として「マルチユーザー」と「アプリ共有」の提供を開始しました。「マルチユーザー」は、複数の利用者が同じヘッドセットにアカウントを作成できるようにする機能。マルチユーザー機能を利用することで、フレンドリストやブラウザ履歴、プライバシー設定、ロック解除パターン、ゲームの進行状況などをアカウント別に管理できるようになります。「アプリ共有」は2つ目以降のアカウントで、所有者が支払ったコンテンツにアクセスすることが可能となります。

Metaはこの「マルチユーザー」と「アプリ共有」を試験的に運用してきましたが、バージョン35ソフトウェアアップデートからはQuestの標準設定とすると発表しました。すでに「マルチユーザー」と「アプリ共有」を利用しているユーザーは何も変更する必要はナシ。なお、「マルチユーザー」と「アプリ共有」に関する設定は、アカウントの設定タブから行えます。


◆クラウドバックアップ
使用するVRヘッドセットを新しいものに交換したり、工場出荷時の設定に戻したり、ゲームをアンインストールしたりした場合でも、ゲームの進捗状況や設定を引き続き利用できるクラウドバックアップ機能が実装されました。

クラウドバックアップ機能はオプトイン形式ですが、デフォルトで有効になっており、開発者は任意でこれを無効化することもできます。Mクラウドバックアップ機能の登場により、ユーザーは限られたVRヘッドセットのストレージをより自由に使えるようになり、気軽に使わなくなったアプリケーションやゲームをストレージから削除したり、再インストールしたりが可能となります。

なお、クラウドバックアップ機能はバージョン35から利用可能となりますが、すべてのユーザーが同時に利用可能となるわけではなく、一部のユーザーから徐々に利用可能になっていくそうです。そのため、すべてのユーザーが利用可能になるまで「少々お待ちください」とMetaは記しています。


◆Horizon Workroomsのオフィス環境をカスタム可能に
Metaが2021年8月にオープンベータ版を公開したOculus向けのバーチャルオフィスアプリ「Horizon Workrooms」では、チームがミーティングやブレインストーミングを行うことができるということで、リモートワークに伴う問題を解決できるVRアプリとして注目を集めました。しかし、実際のオフィスにはそれぞれ個性があるということで、Horizon Workroomsのバーチャルオフィスにも個性を加えるために、MetaはHorizon Workroomsのオフィス環境をカスタマイズできる機能を導入します。オフィスのカスタマイズ機能は今後数週間のうちにリリース予定で、複数のプリセットから環境を選び、会社のロゴを追加したり、ポスターを配置して装飾したりが可能となります。


Metaは「Metaが考えるメタバースとは、現実世界のあらゆる場所と同様に、利用者する人々によって作られ、カスタマイズされた場所のことです。居心地の良い空間を見つけていただきたいですし、もしそうではない場合はそういった場所を作っていただきたいと思います」と記し、Horizon Workroomsでのオフィス環境のカスタムが、同社の目指すメタバースの第一歩になるとしました。なお、この原則は今後登場予定の「Horizon Home」を含む他のプラットフォームでも同様に適用されるとのこと。

なお、FacebookやInstagramといった人気の高いアプリケーションは、今後登場予定のHorizon Homeで2Dパネルアプリとして利用可能になる予定。Metaは「Metaの目標は、『Horizon Home』をお気に入りのサービスのハブとし、物理的なスクリーンのスペースに制約されることなく、マルチタスクでより多くの仕事をこなせる場所にすることです」として、Horizon HomeとOculus Questを通してVRをより身近なものにしていくと述べています。

2021年のOculus Questのソフトウェアアップデートはこれで終了となりますが、最新のアップデートをいち早く利用したいというユーザー向けに、最新のソフトウェアバージョンを一足先に利用できる公開テストチャンネルをMetaは設けているので気になる人はチェックしてみてください。

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in 動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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