北朝鮮でイカゲームを密輸した学生が死刑に
Netflix史上最大のヒットを記録した韓国のテレビシリーズ「イカゲーム」をUSBメモリーに入れて密輸した北朝鮮の高校生が死刑を宣告されました。密輸されたイカゲームを「回し見」した高校生6人にも終身刑や5年間の重労働が言い渡されています。
North Korean sentenced to death after students caught watching Squid Game — Radio Free Asia
https://www.rfa.org/english/news/korea/squidgame-11232021180155.html
問題の高校生はイカゲームを中国からUSBメモリーに入れて密輸し、別の男子高校生に対して販売。この男子高校生は5人の友人とともにイカゲームを視聴したそうで、密輸を行った高校生に対しては銃殺刑による死刑が、密輸されたイカゲームを購入した高校生に対しては終身刑が、回し見を行った5人に対しては5年間の重労働が言い渡されたとのこと。
イカゲームの密輸と視聴に関与した高校生7名だけでなく、この高校生らを監督する立場にあった教師と学校管理者も罪に問われており、男子高校生らの担当教諭と学校校長は解雇の上、鉱山での強制労働ないしは地方追放となる見込みです。
政府が報道機関に対するアクセスを制限しているアジア諸国向けの報道を行うラジオ・フリー・アジアによると、外国メディアを排斥するという北朝鮮当局の努力にもかかわらず、国民の間ではUSBメモリーやSDカードでイカゲームが広まり始めているとのこと。ラジオ・フリー・アジアは、「社会から排斥された人々が巨額の賞金を求めて子ども向けゲームで互いに争い、負けた者は死ぬ」というイカゲームのディストピア的な筋書きが、危険な職業に就く者や不安定な立場の者が多い北朝鮮で特に共感を呼んでいると語りました。
『イカゲーム』予告編 - Netflix - YouTube
事件発覚の流れについて、北朝鮮の法執行機関関係者はラジオ・フリー・アジアに対して「イカゲームのUSBメモリーを購入した高校生は初めは1人の親友と視聴していたが、この親友が話を広めて別の友人らとUSBメモリーを共有し始めたところを検閲官が捕らえた」と説明しています。
特定の韓国メディアは脱北を促す報道を行っているため、北朝鮮当局は韓国メディアにつながるものを危険視しているとのこと。脱北者200人を対象にした調査では、90%が「北朝鮮に居たときに国外のメディアを視聴したことがある」と、75%が「国外のメディアを視聴したことで罰せられた人を知っている」と回答したそうです。
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