スバル車の機能が一部制限、修理する権利への対応で
SUBARUが開発したコネクテッドカー技術「SUBARU STARLINK」がアメリカ・マサチューセッツ州で制定された「修理する権利に関する法律」に抵触する可能性があることから、同州内では機能の提供を停止することが報じられています。
Right-to-Repair Victory Forces Subaru to Tweak Things in Massachusetts
https://www.thetruthaboutcars.com/2021/11/right-to-repair-victory-forces-subaru-to-tweak-things-in-massachusetts/
近年生産されている自動車には多くの電子部品が搭載されており、それらの電子部品を修理する際にはソフトウェア的に部品へアクセスして修理情報を参照する必要があります。しかし、電子部品の登場当初は部品へのアクセス方法がメーカーによって異なり、正規ディーラー以外の修理業者が電子部品の情報へアクセスできないという問題が存在していました。その状況を緩和するべくマサチューセッツ州では電子部品へ誰でもアクセスできるようにすることをメーカーへ義務づける法律が2013年に制定されました。
その後、各自動車メーカーから「車両データをメーカーにワイヤレスで送信する」といった機能をもつコネクテッドカー技術が登場。マサチューセッツ州ではコネクテッドカー技術へも対応するべく2021年に上述の法律を改正しました。この法改正によって2022年以降にマサチューセッツ州で診断データワイヤレス送信技術を備えた自動車を販売する自動車メーカーは、自動車オーナーや修理業者が診断データにアクセスできる機能を提供することが義務付けられています。
SUBARUが提供しているSUBARU STARLINKは緊急時の自動通報機能や故障時の通知機能を備えたコネクテッドカー技術で、車両診断データのワイヤレス送信技術も備えているためマサチューセッツ州の法規制の対象となっています。しかし、自動車関連メディアのThe Truth About Carsによると、SUBARUはオーナーや修理業者への情報提供機能を準備できていないとのこと。そのため、SUBARU STARLINKを2022年以降にマサチューセッツ州で提供することが不可能になったというわけです。
なお、SUBARU STARLINKは2021年10月時点では「レガシィ アウトバック」と「レヴォーグ」が対応しています。
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