交通事故のリスクを下げる安全機能を搭載した車で保険料が高くなるケースがある

by Marc Schaefer

新しい自動車ほど運転をアシストしたり、交通安全に役立ったりする機能が搭載されていて、交通事故のリスクが低くなるので保険料が割り引かれるようになっています。しかしその中で、結果的に保険料が高くなる事例があるそうです。

New Auto Safety Features Can Make Car Insurance More Expensive : NPR
https://www.npr.org/2019/06/15/728256381/why-safer-cars-dont-lead-to-cheaper-car-insurance-yet

自動車保険は交通事故に遭遇するリスクが高いと、保険料を支払う可能性が高くなるので、保険会社の設定する保険料も高くなり、事故に遭遇するリスクが低いと保険料も低くなるという仕組みが一般的です。

この考え方から、衝突被害軽減ブレーキをはじめとした安全技術を搭載した自動車では保険料が安く設定されるものです。

しかし、保険業界向けのデータ分析を行っているVeriskのサンデー・ペルフェット氏によると、保険業界全体で保険料が高くなる傾向が見られたとのこと。理由の一因は「安全技術を搭載することにより修理代が高価になるから」で、アフラック生命保険のスコット・ウォリッシュ氏は、普通のヘッドライトなら修理費が200ドル(約2万円)のところ、LEDヘッドライトだと2000ドル(約20万円)になると具体例を挙げています。同じように、たとえばバンパーに歩行者検出用のセンサーが内蔵されていた場合は、交換時に、普通のバンパーよりも修理費は高くなります。

安全技術を搭載した車に乗れば交通事故のリスクを下げられるはずなのに、場合によって高い費用を払わされているという点について、全米損害保険相互会社協会のトム・キャロル氏は「安全技術が次々と進化している一方で自動車メーカーが技術の詳細を明かさないため、保険会社のデータ取得が難しくなっている」とコメント。

消費者による監視団体のカルメン・バルバー氏は「保険会社は、安全技術が事故減少に役立っているのかというデータは持っているはずです」と指摘していますが、保険契約者連合のエイミー・バッハ氏は、保険会社は慎重な傾向があり、往々にして動きは遅いものであるとコメントしています。