スケッチを一瞬でベクター画像にすることがiPad版Illustratorで可能に、デスクトップ版では3Dエフェクトが強化される

Adobe製品の新機能を発表する「Adobe MAX 2021」のKeynoteで、Illustratorの新機能が発表されました。iPad版Illustratorではスケッチをボタン1つでベクター画像にする新機能が追加され、デスクトップ版Illustratorでは3Dエフェクトの強化により、パスから簡単に3Dオブジェクトを作成したり、ライティングを設定したり、回転やテクスチャの追加ができるようになったりしています。また無料のお絵かきアプリ・Frescoではイラストをアニメーション化できる「モーション機能」が追加されています。
Adobe MAX 2021 | The Creativity Conference
https://www.adobe.com/max.html
◆Adobe Fresco
無料のお絵かきアプリ・Frescoには、まず、作品に動きを追加してアニメーション化できる「モーション機能」が追加されました。また色調補正が可能になったほか、消失点を3点まで追加できる「遠近グリッド」や、線画の着彩をスピーディーに行う「参照レイヤー」も搭載されています。

モーション機能は以下のような感じ。「モーション設定」という箇所で「フレーム/秒」を指定し、ループ再生するか、オニオンスキンを有効にするかなどを選択します。

フレームは以下のように表示されます。

パスに効果を設定するエフェクトも。

非常に直感的な操作で簡単に手描きイラストをアニメーション化できるようになるとのこと。


◆iPad版Illustrator
Illustratorの新機能としてめちゃくちゃ便利なのが、手描きスケッチなどを一瞬でベクター化できる機能。通常、手描きイラストをベクター化する場合、形を1つ1つパスツールなどで選択していく必要がありますが……


ボタン1つでパスを選択し、ベクター画像にできます。

選択パスは完全に編集可能。

ベクター画像なので線の太さを変えたり……

拡大縮小・回転や……

グラフィックを追加したりすることが可能。


これらの機能はデスクトップ版Illustratorではすでに可能ですが、iPad版で利用可能になることで、まったく別の体験が生み出されるとのことです。

完成したロゴはこんな感じ。

◆デスクトップ版Illustrator
さらに、iPad版で作成したロゴを、デスクトップ版Illustratorで開きます。

デスクトップ版Illustratorでは今回、3Dエフェクトが強化されました。2Dで作成された以下のロゴのパスに……

深度を追加して、このように3D化できます。

3Dオブジェクト化したロゴは深度を浅くしたり深くしたり、さまざまな角度に変えたり……

光源を追加して影をつけたりも可能。

ハイライトをつけてみました。このような3D処理が行えるのも、スケッチをベクター化したからこそといえます。

また、Adobe Illustratorデスクトップ版とiPad版がどちらもコメントパネルのリンク共有に対応し、ドキュメントを他のチームメンバーや関係者と共有して素早くフィードバックを得られるようになりました。

リンクをクリックした人はブラウザ上でファイルを開き、その場でファイルに書き込みを行えます。

フィードバックはIllustrator上でも確認可能です。

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