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販売終了したVRヘッドセット「Oculus Go」のアンロックOSビルドが配信開始、完全なroot権限を取得可能に


Facebook傘下のVR企業・Oculusが、Oculus Go向けのアンロックOSビルドの提供を開始しました。このアンロックOSビルドはOculusの顧問最高技術責任者を務めるジョン・カーマック氏がリリースを予告していたもので、導入することで完全なroot権限を取得可能になります。

Unlocking Oculus Go
https://developer.oculus.com/blog/unlocking-oculus-go/


Oculus Go Unlocked OS Build Now Available
https://uploadvr.com/oculus-go-unlocked-os-available/


Oculus GoはPCに接続せずとも単体で動作するスタンドアローン型VRヘッドセットで、2018年5月に発売されました。Oculus Goの価格は2万3800円からで、VRデバイスとしてはかなり安価でしたが、その自由度は前後左右の移動を感知できない3DoFに制限されていました。

スタンドアローンVRヘッドセット「Oculus Go」が日本でも販売開始 - GIGAZINE


その後、6DoFの自由度を誇るスタンドアローン型VRヘッドセット「Oculus Quest」が2019年に発表され、Oculus Goは2020年6月に販売終了となりました。

「Oculus Go」が販売終了、2020年12月に専用アプリの追加も終了予定 - GIGAZINE


そして、カーマック氏が2021年9月25日に、「私が何年もかけて進めてきたことがもうすぐ実現します。Oculus Go用のアンロックOSビルドが公開されます。これをサイドロードすることで、完全なルートアクセスが可能になります」とTwitter上で予告しました。


そして、カーマック氏の予告通り、Oculus GoのアンロックOSビルドが2021年10月22日にリリースされました。


Oculus GoのOSはAndroidベースで、今回リリースされたOSビルドでは完全なルートアクセスが可能になります。これによって、システムアプリの削除やホームインターフェースの換装、本来であれば許可されていない高度な機能を持つOculus Go向けアプリを無線経由でビルドすることが可能になるとのこと。


さらにこのビルドをサイドロードすることで、Oculus Goのブートローダーがアンロックされます。ブートローダーがアンロックされることでOSビルド時にFacebookの署名の確認がなくなるので、サードパーティー製のOSをインストールすることも可能になります。

また、カーマック氏は今回のアンロックOSビルドについて、「20年後にOculus Goの新品が偶然発見され、その時にはFacebookのアップデートサーバーが停止していたとしても、Oculus Go向けソフトウェアのバージョンアップデートが可能になることを意味します」とコメント。通常、セキュリティ上の問題で公式にルート権限を完全に取得できるOSビルドが配布されることはほぼありませんが、カーマック氏は「リリースされるアンロックOSビルドはOculus Questのものではなく、カメラもついていないOculus Goのものです。ユーザーが古いデバイスを完全に制御できるようになったらどんなに悪いことが起こるかという懸念も多くありますが、私は明確にユーザーの能力開花を支持します」と述べています。


なお、配布サイトにはOculus Goにサイドロードする手順が掲載されていますが、サイドロードを行うとインストールしているすべてのアプリとデータが消去されるとのことなので、注意が必要です。

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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