ハチは簡単な光の信号を読むことができると研究で判明

これまで脊椎動物にしかできないと考えられてきた光の識別を、マルハナバチが成し遂げたことが分かりました。自然環境で点滅する刺激に遭遇しないマルハナバチがなぜこのような能力を獲得したのか、疑問が生じています。
Duration discrimination in the bumblebee Bombus terrestris | Biology Letters | The Royal Society
https://royalsocietypublishing.org/rsbl/article/21/11/20250440/234065/Duration-discrimination-in-the-bumblebee-Bombus

Bees learn to read simple ‘Morse code’ - Queen Mary University of London
https://www.qmul.ac.uk/media/news/2025/science-and-engineering/se/bees-learn-to-read-simple-morse-code-.html
これまでさまざまな動物を対象に長く光る点滅(線)と短く光る点滅(点)を見せ、モールス信号のようにそれを識別できるかどうかを確認する実験が行われてきましたが、この違いを識別できることが確認されたのはヒトやアカゲザル、ハトなどの脊椎動物に限られていました。
こうした光の違いを昆虫も識別可能なのかという点に着目したクイーン・メアリー大学のアレクサンダー・デヴィッドソン氏らは、単純な光の明滅を識別できることが示唆されていたマルハナバチを研究対象に選び、長い点滅と短い点滅を識別できるのかを調査しました。

デヴィッドソン氏らは以下のような特殊な迷路を作りました。ハチは巣箱(Nest box)からスタートして、画像右側の観察室(Observasion chamber)を経由し、「a」「b」「c」の3区画に分かれた実験室(Experimental chamber)へ行きます。実験室の各区画ではモニターに左右で点灯時間が違う黄色い円が2つ表示されており、モニターの前には甘いスクロース溶液と苦いキニーネ溶液が設置してあります。

マルハナバチを迷路に入れて透明なアクリルの壁越しに長い点滅または短い点滅を見せ、長い点滅であれば甘い溶液、短い点滅であれば苦い溶液にたどり着けるというように、光と溶液を関連付けるよう訓練しました。観察室は、餌を集める行動を積極的にするマルハナバチを1匹選別するために使用されています。
その結果、ほとんどのマルハナバチが点滅のパターンを学習し、光を見ただけで高い割合で甘い溶液にたどり着けることが判明しました。各装置の位置を変えても機能したことから、空間的な情報ではなく光刺激を手がかりにしていたことが示唆されています。また、長い点滅と短い点滅の違いを「光の刺激があった総時間」「光の刺激の繰り返し数」で判断している可能性を考慮して、光サイクルの長さや量を変えながら実験した結果、同様の学習が観察されたことから「点滅の長さそのもの」を理解していることが判明しています。
デヴィッドソン氏は「異なる点滅時間の違いを学習する姿を見られて興奮しました。ハチは自然環境で点滅する光の刺激に遭遇しないため、この課題に成功したことは注目に値します。光の持続時間を記憶できるという事実は、マルハナバチが空間内の動きの追跡やコミュニケーションなどに用いる時間処理能力を他の目的にも応用している可能性があります」と述べました。
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in サイエンス, 生き物, Posted by log1p_kr
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