全人類がバカになった2006年の映画「26世紀青年」に現実がどれほど近づいているかを追跡する「愚民政治近接度指数」

「26世紀青年(原題:Idiocracy)」は2006年にアメリカで制作された映画で、コールドスリープによって500年後の未来で目覚めたところ、バカと下ネタが牛耳る愚か者社会になっていたという物語です。そんな「26世紀青年」のヤバすぎる世界に現実世界がいかに近づいてしまっているか追跡しているサイトが「IDIOCRACY PROXIMITY INDEX(愚民政治近接度指数)」です。
Are We Idiocracy Yet?
https://idiocracy.wtf/
「26世紀青年」のストーリーはアメリカ陸軍が秘密裏に進行するコールドスリープ実験から始まります。「アメリカで最も平均的な能力の男」として選ばれた軍人と、責任者が懇意にしている売春斡旋(あっせん)者から紹介された女性の2人が1年間コールドスリープすることに決定しましたが、実験後に責任者が不正や犯罪で逮捕されたため被験者は秘匿されたまま放置され、500年後の未来で目覚めることになります。
2人が目覚めた世界は極端に知能が下がり堕落した世界になっていました。例えば、人々はおしりがアップで映っているだけの映像で腹を抱えて笑い、公的な場でも下ネタが飛び交います。大統領は有名なポルノ俳優が務め、官僚も現代基準では知能が高くない人たちが務めており、「農地には水よりも栄養がありそうなスポーツドリンクを散布しているせいでなぜか作物が育たない」といった政策の誤りにも誰も気付きません。IQ100という平均的な知能を発揮する500年前の軍人はこの時代では神がかりな優秀者であり、その平均的な知能をもって政治と社会を改善しながらウワサされる「タイムマシン」のありかを目指すというストーリーになっています。

「26世紀青年」は全人類がバカになりすぎた500年後を下ネタとブラックジョークで描くコメディ映画ですが、ドナルド・トランプ大統領が最初に当選した2018年頃に「映画の予言が的中した」と話題になり、トランプ大統領と映画の大統領を比較するミームが発生しました。「26世紀青年」を制作したマイク・ジャッジ監督はこの話題に対するインタビューで「私は予言者などではありません。なぜなら、予言の時期を490年も外してしまっているのだから」と発言しています。
そのようなミームに基づいて、「26世紀青年」の愚かすぎる設定やストーリーと現実世界がどれくらい近づいてしまっているのかを追跡しているサイトが「IDIOCRACY PROXIMITY INDEX(愚民政治近接度指数)」です。サイトによると、記事作成時点の愚民政治近接度指数は「78%」とかなり高くなっています。

IDIOCRACY PROXIMITY INDEXでは、各設定ごとに現実との一致度も示されています。例えば、作中でアメリカ合衆国大統領を務める人物は元プロレスラーのポルノ俳優で、政治力や賢さではなくエンターテインメント性だけで選出されています。トランプ大統領も2013年にアメリカのプロレス団体・WWEのWWE殿堂に選出されており、選挙集会ではプロレス風の入場演出やキャッチフレーズが用いられたほか、リアリティ番組の司会者を務めた過去も合わせてエンターテインメント性が高い経歴になっています。結果としてIDIOCRACY PROXIMITY INDEXでは、「大統領の選出」という項目において映画と現実の一致度が「92%」と算出されています。なお、どのような計算方法かは示されていません。

また、「26世紀青年」の作中ではおしりを大画面で映すだけの映画に満員の客が爆笑し、男性が股間を何度も蹴られるだけの番組がエミー賞を総なめしているほど人気があります。現代ではもちろんそのようなコンテンツばかりではありませんが、ドッキリや危ないチャレンジをウリにした番組が人気だったり、TikTokやYouTubeなどのSNSでは入院者がでるような自傷行為ともいえるムービーが流行したりと、映画の描写が明らかにおかしいとは言えない側面もあります。

「26世紀青年」の未来では、都市にゴミがあふれて山積みになり、時には雪崩を引き起こすほどになっています。ナショナルジオグラフィックが2023年に公開した報告書では、北太平洋に集積した海洋ゴミの塊を表す「太平洋ゴミベルト」は全米第2位の広さであるテキサス州の2倍の広さに達しているとされています。また、エチオピアでは2017年に「ゴミ山の崩落」が実際に発生しており、115人が死亡しています。

知能指数が大幅に下がった未来を描く「26世紀青年」では、「知能の高い者は少数精鋭的に確実な子育てを目指すK戦略をとって子作りを控え、知能の低い者は極端なR戦略をとって本能のままに子どもを作り続ける結果、集団全体の知能指数は下がり続ける」という理論が冒頭に示されます。IDIOCRACY PROXIMITY INDEXではノースウェスタン大学の研究者らが2023年に学術誌Intelligenceに掲載した論文を引用して「IQテストスコアは継続的に上昇しているという『フリン効果』が逆転し、アメリカ人のIQスコアはほぼ1世紀ぶりに低下していることが明らかになった。論理、語彙、数学のスコアはいずれも2006年以降、著しく低下している」と述べ、映画と現実の一致率を「90%」としています。

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