Valveのハイスペック携帯ゲーム機「Steam Deck」の分解動画が公開される

ゲーム配信プラットフォーム「Steam」を展開するValveは、Steamで配信されているゲームをプレイできる携帯ゲーム機「Steam Deck」の開発に取り組んでいます。このSteam Deckを分解して中身を解説するムービーがValveの公式YouTubeチャンネルで公開されました。

Steam Deck Deposit－Take a look inside Steam Deck!－Steamニュース
https://store.steampowered.com/news/app/1675180/view/3011210954776539264

Steam Deckの発表以降、ValveにはSteam Deckのハードウェア構成や部品交換の可否を尋ねる問い合わせが多く届いたとのこと。Valveは「答えは『Yes』や『No』よりも少し複雑なので、詳細を説明するためのムービーを作成しました」と述べ、Steam Deckを分解して内部構造や部品交換方法について解説するムービーを公開しました。

Take a look inside Steam Deck™! - YouTube

Valveによると、Steam Deckの分解は非推奨とのこと。しかし、「Steam Deckのユーザーには分解する権利がある」と述べ、Steam Deckを分解してスティックやSSDを交換する手順を解説しています。

Valveは分解する際の注意点として、バッテリーの取り扱いを誤ると火災の危険性があることや……

一度分解するとSteam Deckの耐衝撃性が低くなる可能性があることを挙げています。

さらに、帯電ストラップなどを用いて静電気対策を行うことも推奨。分解が難しいと感じたら専門家に助けを求めるように注意喚起しています。

ムービーの中で使われているSteam Deckは試作品であり、製品版とは設計が異なる可能性があるとのこと。各部品を交換するには、まずケースを取り外す必要があります。ケースにはネジが外側に4カ所と……

内側に4カ所付いているので、ケースを傷付けたりネジ頭がつぶれない注意しながらドライバーで取り外します。

外側のネジと内側のネジはサイズが違うので、混ざらないように注意が必要。

ネジを外したら、爪を痛めないように気を付けながらケースをこじ開けます。

ケースを開くとSteam Deckの基板が現れます。次に、赤枠の位置にあるスティックを取り外します。

スティックを取り外すには、丸で囲まれた部分のコネクタを外して……

3カ所のネジを外せばOK。

これで、スティックの取り外し作業は完了。反対側のスティックも同様に取り外せます。

今度は、SSDを取り外します。SSDは丸で囲まれたカバーの下に位置しています。

SSDの交換には「消費電力の大きなSSDを用いると、バッテリーの寿命を縮める可能性がある」「Wi-FiやBluetoothなどの無線モジュールと干渉して無線性能が低下する可能性がある」「Steam Deckの振動時にSSDと他の部品が物理的に干渉する可能性がある」「交換する際にAPUの排熱モジュールのネジを外す必要があり、排熱性能に影響を与える可能性がある」といったリスクが伴うとのこと。Valveは、「ストレージ容量を増やしたい場合は、SSDを交換することは非推奨で、microSDカードを挿入することを推奨します。その方が簡単で素早く実行可能です」と述べ、SSDの交換が非推奨であることを強調しています。

SSDを外すには、まず銀色のカバーを外す必要があります。矢印で示された2カ所のネジを外して……

さらに2カ所のネジを外せばカバーを取り外すことが可能。

丸で囲まれた部分がSSDです。

SSDの接続規格にはM.2が採用されており、搭載可能サイズはType 2230に限られるとのこと。

SSDを取り外す前に、まずバッテリーの接続を解除します。

後はネジを1カ所外せば……

SSDの取外し作業は完了です。また、各部品の取り付けは、分解と逆の順序で行えばOKとのことです。

なお、Steam Deckはアメリカ・カナダ・イギリス・EUで2021年12月に登場予定で、他の地域への出荷は2022年に始まる予定です。Steam Deckの公式サイトには日本語版のページも用意されており、日本での登場も期待できそうです。

・おまけ
上述の日本語公式ページでは、「Steam Deckでは最新のAAAタイトルでも非常に快適に動作します」と、性能の高さがアピールされています。また、オープンワールドRPG「ウィッチャー3」の公式Twitterアカウントは「Steam Deckでウィッチャー3が快適に動作する様子」を公開しています。