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電信時代に大規模なデータを処理するために作成された特徴的な組織図とは?


現代では、何GBものデータをインターネットを介して世界中に送信することができますが、1850年代には電話すら普及しておらず、手紙や電報による通信が一般的でした。そんな1850年代に、ニューヨークの鉄道会社では鉄道路線全体の運行情報という比較的大規模なデータを正確かつ高速に管理するために、ある「特徴的な組織図」が用いられていました。

Big data in the age of the telegraph | McKinsey
https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/big-data-in-the-age-of-the-telegraph

特徴的な組織図は、1855年にニューヨーク・アンド・エリー鉄道で鉄道運営を担当したダニエル・マッカラムによって作成されました。当時、ニューヨーク・アンド・エリー鉄道は世界最大規模の鉄道を所有しており、電報の普及によって事故や遅延などの情報がほぼリアルタイムでマッカラムの元へ集まっていたとのこと。しかし、そのデータはマッカラムが1人で管理できる量を超えていました。そこで、マッカラムは鉄道全体の組織図を作成し、情報の管理権限を複数の監督官に与えることにしました。

以下が、マッカラムが作成した組織図です。現代の一般的な組織図では役職順に上から下へと配置されますが、マッカラムの組織図では下部に経営陣や監督官が配置され、上部に各路線の従業員が配置されています。


マッカラムは、組織図の下部に配置された監督官に各路線の情報を管理する権限を与えました。このマッカラムの判断について、コンサルティング企業のMcKinsey & Companyは「監督官はそれぞれの路線の近くで働いているため、効率的に情報を管理するのに最適です」と述べています。


マッカラムの組織図では、経営陣や監督官を根に見立てて、各路線のレールがまるで枝のように伸び、レールにそって各駅の従業員が配置されています。また、運転手や車掌などの移動する職種の人々は、曲がりくねった線の上に配置されています。


McKinsey & Companyは、マッカラムが経営陣や監督官を組織図の下部に配置したことについて「マッカラムは、鉄道会社の幹部に鉄道の運営を指示するのではなく、鉄道を支援するように求めました。マッカラムの重要な指針の1つである『責任の適切な分割』に従って、各路線の運行管理は監督官に委ねられました」と述べています。

また、マッカラムは監督官に意思決定権を与えつつ、経営に必要な情報を経営陣に報告するように求めており、これによって経営陣は情報の監視と長期的な意志決定を行うことができていました。加えて、マッカラムは走行距離当たりのコストや1車両当たりのコストなどを簡単に算出できるようなシステムを設計したとのこと。これらの取り組みによって、ニューヨーク・アンド・エリー鉄道では適切な情報管理が可能になりました。

McKinsey & Companyは、コンピューターの登場によって情報処理能力が格段に向上した現代でも、大量のデータの処理方法に悩まされているリーダーが多く存在すると指摘。現代でもマッカラムの組織図に習って情報管理権限をチームメンバーに与えることで、企業内で情報共有する機会が増加し、サービスやイノベーションを改善できると主張しています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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