ハードウェア

Intelが第2世代ニューロモルフィックチップ「Loihi 2」を発表、試作段階の「Intel 4」プロセスノードを採用


Intelは、神経ネットワークの構造や機能を模倣することを目指す「ニューロモルフィック・エンジニアリング(ニューロモルフィック・コンピューティング)」に関する研究開発を行っており、2017年に研究用のニューロモルフィックチップ「Loihi」を発表しました。2021年9月30日、新たにIntelが第2世代ニューロモルフィックチップ「Loihi 2」と、ニューロモルフィックコミュニティ向けのソフトウェアフレームワーク「Lava」を発表しました。

Intel Advances Neuromorphic with Loihi 2, New Lava Software Framework and New Partners :: Intel Corporation (INTC)
https://www.intc.com/news-events/press-releases/detail/1502/intel-advances-neuromorphic-with-loihi-2-new-lava-software


Intel's New Neuromorphic CPU Loihi 2, Ready Today: Built on Pre-Production 4nm
https://www.anandtech.com/show/16960/intel-loihi-2-intel-4nm-4

Intel Reveals 4nm Loihi 2 Neuromorphic Research Chip | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/intel-reveals-loihi-2-neuromorphic-research-chip

Intel's Loihi 2 Processor Gets Even Faster At Computing AI Workloads Like A Human Brain | HotHardware
https://amp.hothardware.com/news/intel-launches-loihi-2-its-second-generation-neuromorphic-processor

ニューロモルフィック・エンジニアリングの概念は1980年代後半に提唱されましたが、研究用のハードウェア開発が始まったのは2000年代であり、実際に使用可能なチップが登場したのは2010年代になってからでした。近年は人工知能(AI)開発の加速を受けて、人間の脳を模倣しようとするニューロモルフィック分野が注目を浴びるようになっています。生物の脳のように機能するニューロモルフィックチップは、AIのエネルギー効率や計算速度、最先端アプリケーション全体の学習効率を向上させることが期待されているとのこと。

Intelは先進研究機関「Intel Labs」でニューロモルフィック・エンジニアリングの研究開発に取り組んでおり、2017年に研究用ニューロモルフィックチップ「Loihi」を発表しました。Loihiは13万のニューロンおよび1億3000万のシナプスで構成されているチップであり、Intelの14nmプロセスノードで少量生産されたとのこと。その後2020年には、Loihiを768基搭載して1億ニューロンの演算能力を備えたニューロモーフィック・コンピューティング・システム「Pohoiki Springs」を発表しています。

by Intel Corporation

そして2021年9月30日、Intelは新たに第2世代ニューロモルフィックチップ「Loihi 2」を発表しました。研究用チップのLoihi 2は第1世代の「Loihi」から得られた知識を取り入れ、Intelが7月に発表したプロセスノードの新名称における「Intel 4」(従来は「Intel 7nm」と呼ばれていた世代)の試作バージョンで生産されています。Intel 4は極端紫外線(EUV)リソグラフィによる超短波長光を使用した非常に精細な印刷技術により、消費電力当たりのパフォーマンスがIntel 7から20%向上すると見込まれているとのこと。

Loihi 2は128個のニューロモルフィックコアを備えたチップであり、最大100万のニューロンおよび1億2000万のシナプスで構成されています。その一方、Intel 4プロセスで構成されているため第1世代Loihiよりも大幅に密度が高く、ダイ面積は前世代の60平方ミリメートルと比較して31平方ミリメートルと約半分になっています。


さらにIntelは、ニューロモルフィックコミュニティ向けのソフトウェアフレームワーク「Lava」も発表しています。ニューロモルフィック・エンジニアリングの構成要素はハードウェアだけでなく、アーキテクチャを利用するソフトウェアの開発も重要です。LavaはLoihiシリーズだけでなく、ニューロモルフィック・エンジニアリングのコミュニティ全体の新たな基盤となる、オープンソースのソフトウェアフレームワークだとのこと。

Lavaはモジュール式で拡張可能なフレームワークであり、研究者とアプリケーション開発者がそれぞれの進歩に合わせて構築し、共通したツール・メソッド・ライブラリのセットに集めることが可能。YARPTensorFlowPyTorchといった既存のフレームワークとインターフェースで接続可能であり、全てのライブラリと機能はPythonを介して公開されるそうです。

Intelのニューロモルフィック・コンピューティング・ラボのディレクターを務めるマイク・ディヴィス氏は、「Loihi 2とLavaは、Loihiを使用した数年間の共同研究から得た洞察を取り入れています。Intelの第2世代チップは、処理速度やプログラム可能性、ニューロモルフィック処理容量を大幅に改善し、電力やレイテンシに制約のあるインテリジェント・コンピューティング・アプリケーションへの利用を拡大します。Lavaをオープンソース化することで、現場におけるソフトウェアの集約やベンチマーク、クロスプラットフォームのコラボレーションといったニーズに対応し、商用化に向けた歩みを加速させていきます」と述べました。

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1h_ik

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