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スターバックスがユーザーを意図的にだます「ダークパターン」を使用しているという指摘


「ウェブサイトを訪れたユーザーの情報をターゲティング広告に利用するには、ユーザーがCookie利用について許可する必要がある」と、ヨーロッパやアメリカでは法律で定められているため、ユーザーをだます「ダークパターン」を利用してユーザーにターゲティング広告を許可するCookieを選ばせようとするケースが増加しています。エンジニアのChris Corbettさんが、イギリスのスターバックスのウェブサイトでも、ユーザーがCookieの広告利用について許可しないと設定した時に、不要に長いプロセス処理時間が発生し、しびれを切らしたユーザーが設定をキャンセルするようなダークパターンが見られることを指摘しています。

Starbucks and TrustArc add fake cookie processing delay if you don't click agree | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=28500092

Corbettさんが指摘しているのはスターバックスUKのウェブサイト。以下の動画から、スターバックスUKのウェブサイトがCookieの設定において、どのように動作するのかがわかります。

@Starbucks @TrustArc proof that it doesn't have to take almost a minute to set client side cookies. In the first run I've crippled the timeout, the second run is stock. pic.twitter.com/r6BlKqqBQE

— Chris Corbett (@pixelscript)


スターバックスUKのウェブサイトでCookieの利用について尋ねられた際に「More Information」をクリック。


選択肢のうち、最低限のCookie利用だけを許可し、広告についてはCookie利用を認めずに「SUBMIT PREFERENCES」をクリックします。


「Cookieの選択をアップデートしました」と表示されました。この時点では特に不自然なことは起こりません。


次に、ローカルストレージを削除。


またこれまでのCookieも全て削除します。Cookieの設定を行うだけでは、それ以前に保存されたCookieは保持され続けますが、これでスターバックスに関する情報を含め、ユーザーPCに保存されていたCookie情報が全てなくなりました。


その上で再度、「More Information」からCookieの選択画面に入ります。


先ほどと同様に最低限のCookieだけ許可して「SUBMIT PREFERENCES」をクリック。


すると画面にプロセスが処理中である旨が表示され、先ほどにはなかった読み込みが出現。


ようやく次の画面に進んだと思ったらまた処理画面。「設定の反映に数分かかる場合があります」という文言とともに、いつでもCookieの設定を白紙に戻せる「CANCEL」ボタンが表示されました。


CorbettさんはスターバックスUKと、そのプライバシーを検証するTrustArcという2つの企業のTwitterアカウントに対し「あなたたちが不要なタイムアウトを除けば『ステイタス』を処理する必要もなくなります。これはプライバシー設定の時にのみ起こります。説明できますか?」と問いかけました。

Hey @StarbucksUK and @TrustArc if you get rid of the unnecessary timeouts there won't be any need for this processing "status". This only happens when you customise your privacy settings, can you explain that?

Funny how some dark patterns are just accepted. pic.twitter.com/qA231RjSeb

— Chris Corbett (@pixelscript)


これはユーザーをだますダークパターンだとCorbettさんは指摘。ダークパターンはユーザーに意図した行動を取らせるため、あえてデザインを分かりにくくする行為などを指し、今回であればユーザーに「キャンセル」を押させるために不必要な動作を含めることがダークパターンにあたると言われているわけです。EUのデータ保護規則・GDPRが施行されることでユーザーデータの収集が困難になったため、企業がこのようなダークパターンを利用するケースが増えており、問題視されています。このため、アメリカ・カリフォルニア州ではダークパターンを禁じる法律が可決されており、「ダークパターンによって得られた同意を認めない」という新法設立の動きも各州で出てきています

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in 動画,   デザイン,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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