SNS上のステマを禁止する判決が下る、ただし「インフルエンサーに抜け道が与えられた」という指摘も
InstagramやTwitterなどのSNSで数万人のフォロワーを持つインフルエンサーは、製品のマーケティングにおいて大きな影響力を持っていますが、中には製品紹介であることを伏せたステルス・マーケティング(ステマ)と呼ばれる投稿を行うインフルエンサーも存在します。そんなインフルエンサーの製品紹介投稿について、ドイツの連邦裁判所が「投稿に広告であることを明記する必要がある」とする判決を下しました。
Bundesgerichtshof zur Pflicht von Influencerinnen, ihre Instagram-Beiträge als Werbung zu kennzeichnen
https://juris.bundesgerichtshof.de/cgi-bin/rechtsprechung/document.py?Gericht=bgh&Art=en&Datum=Aktuell&Sort=12288&nr=122020
Bundesgerichtshof: BGH erlaubt Influencerinnen manche Produktbeiträge ohne Werbehinweis | ZEIT ONLINE
https://www.zeit.de/digital/internet/2021-09/bundesgerichtshof-influencer-instagram-werbung-kenzeichnung-urtei
画像共有SNSのInstagramでは、投稿した画像に特定のアカウントを紐づけることが可能で、以下のような「画像をタップすると表示されるタグ」をタップすることタグ付けされたアカウントの投稿を閲覧することができます。
ドイツの法律では、消費者に広告と気づかせない方法で商品紹介サイトへ誘導する行為が違法とされています。今回の裁判では、上述の画像内でのタグ付けが「商品紹介投稿が広告であることの明記」に該当するかどうかが争われました。その結果、企業から金銭を受け取って商品を宣伝した場合、上記のようなタグ付けだけでは「広告であることの明記」とはみなせないという判決が下りました。つまり、このような行為は違法にあたるわけです。
また今回の判決には、企業から金銭を受け取った広告であることや、製品ページへのリンクを画像の説明文に記した場合は広告であることを明記したとみなすことも含まれていたことから、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsには、連邦裁判所の今回の判決が実質的にインフルエンサーへの抜け道を提供したのではないかという意見が投稿されています。
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