他人を守るためのウソは「真実よりも道徳的」と評価されるとの研究結果

ウソをつくことは多くの文化圏で不道徳な行為とされ、控えるよう教えられます。ところが、研究によると、人間は一定の条件で交わされるウソを真実よりも道徳的と見なすことがあるそうです。
Selective (dis)honesty: Choosing overly positive feedback only when the truth hurts - Cantarero - 2026 - British Journal of Social Psychology - Wiley Online Library
https://bpspsychub.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bjso.70020

Truth hurts: Prosocial liars perceived as more moral, study finds
https://phys.org/news/2026-01-truth-prosocial-liars-moral.html
人間は他人を傷つけないためにウソをつくことがあります。社会心理学者のカタジナ・カンタレロ氏らは、常に正直な人や他人を傷つけない「優しいウソ」をつく人を想定し、人間の正直さが実際どの程度他人に評価されるのかを調査しました。
カンタレロ氏らは、「不味い料理を作った2人の料理人」と「料理人に意見を言う4人の人物」という仮想キャラクターを作成し、約900人のアメリカ人に対してキャラクターの発言をランダムに提示して感想を求める実験を行いました。各キャラクターの特徴は以下のとおり。
料理人1:否定的な意見にうまく対処できる
料理人2:否定的な意見にうまく対処できない
意見者1:両方の料理人に「美味しかった」とウソをつく
意見者2:両方の料理人に「不味かった」と真実を言う
意見者3:料理人1にウソをつき、料理人2に真実を言う
意見者4:料理人2にウソをつき、料理人1に真実を言う
調査に参加した約900人のアメリカ人は、ランダムに提示される4つの発言を読んだ後、「この発言者はどのような人だと思いますか?」という質問に回答しました。質問は「良い・悪い」「無慈悲・共感的」「不道徳・道徳的」「暴力的・平和的」という4つの項目に分かれていました。

調査の結果、参加者に最も道徳的であると判断されたのは、「過度に肯定的な意見を言う人」、すなわち意見者1であったことが分かりました。これに「否定的な意見にうまく対処できない人にウソをつく」という意見者4が続きましたが、意見者1と意見者4の道徳的な評価にはほとんど差がありませんでした。3番目は常に真実を言う意見者2で、最も不道徳だと見なされたのは意見者3でした。
このように「真実に向き合える人には率直に伝え、批判で傷つく可能性のある人にはウソをつく」という人は、態度の一貫性に欠けるものの、他者からの道徳的評価を下げることはなかったということです。カンタレロ氏は「この結果は興味深いです。社会的ニーズに合致している限り、他人の感受性に配慮した態度は容認されることを示しています」と語りました。

カンタレロ氏らはもう1つの調査を行っています。この調査では、否定的な意見にうまく対処できない人と、キャラクターが設定されていない人、そして自分自身の3人に対して意見が言われたと想定し、どの意見がどの人にとって適切かを参加者に選んでもらいました。
その結果、参加者は自分自身に対する意見には正直さを求めることが分かりました。自分自身に正直な意見を求める人の割合は58.9%だったのに対し、感受性に配慮した優しいウソを求めた人は14.7%しかいませんでした。
なお、感受性に配慮した意見者が適切とされたのは、否定的な意見にうまく対処できない人(19.2%)が最も多く、次いで自分自身向け(14.7%)、キャラクターが設定されていない人(9.3%)でした。
不適切な意見(意見者3)が適切とされたのは、キャラクターが設定されていない人(13.9%)が最も多く、次いで自分自身向け(9.6%)、否定的な意見にうまく対処できない人(6.2%)でした。
カンタレロ氏らは「2つ目の研究では、個人が自分自身に意見を求める場合、正直な意見者の方が優しいウソをつく意見者よりも好まれることが明らかになりました。2つの研究から、他人が他人へ意見するという状況においては、人間は厳格な一貫性よりも相手へ配慮する態度の方を道徳的に評価しやすいことを示しています」と述べました。
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in 生き物, Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article Research shows that lies told to protect….







